実はこのエアコン修理、昨年(2002年)の5月頃にも16TZIで体験しています(爆)。BXのエアコン故障率がほぼ100%というのは「本当」なんでしょう(笑)。で、BXのエアコン故障原因で圧倒的に多いのが有名なエキスパンションバルブの詰まり。TZIは実際そうでしたし、今回のTRSも恐らく同じです。
既に一度交換作業を経験しているので作業の流れは頭に入っているのですが、とにかく「大変」だった記憶があります。何が大変かって
![]() | こんなこともあろうかと、マニホールドゲージ(写真)と冷媒R12をあらかじめ手に入れておきました(爆)。ゲージを接続してチェックしてみると、予想通り冷媒は循環していません。高圧側は8kg/cm2、低圧に至ってはほぼゼロです。正常なら、高圧側が13〜15kg/cm2くらい、低圧側は2.0kg/cm2を少し下回るくらいが目安。低圧側が負圧へと向かうのはエキパンが詰まっている証拠です。 |
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エキスパンションバルブはアクセルペダルのすぐ右側あたり(LHD車)にあります。ですので、車体をラダーレールに乗せないと「逆エビ固め」必至です。 まずは、作業に邪魔なステアリングやコラムアンダーカバーetcを外します。写真は以前持っていた16TZIでの作業風景(昨年)。来年こそはやらずに済ませたいなぁ(笑)。 |
![]() | 次に、ペダルをステーごと外します。ペダルのステーは5カ所で留まっています。バルクヘッド側で2カ所(緑矢印、10mmボルト)、ステー下端に生えているスタッドボルトが1本(ピンク矢印)。全5カ所中こいつが最も厄介。フロア下からナットで留められています。 |
![]() | 残りの2つは、バルクヘッドにブレーキバルブを固定している11mmナット2個。バルブには金属配管が接続されているためナットを外しても落ちる様なことはありませんが、ステー除去後に仮留めしておいて下さい。 |
![]() | フロア下のナットを外すには車体下に潜ります。でも、最初にジャッキアップ済みなので実は簡単。写真の下側が車体前方、緑の矢印がプライオリティバルブです。ブレーキペダルの真下付近にある10mmのナットが目指すナット(ピンクの矢印)。 |
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とにかく配管だらけで工具が入らない狭い場所なので、ユニバーサルジョイントやエクステンションを駆使してナットを外します。これさえ取れれば、アクセルワイヤーを外すだけでペダルはあっけなく外れます。 少しだけ面倒くさい作業ですが、これをやるのとやらないのではこの後の作業効率が格段に違うんです。 |
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例えば、コレ。外すのが大変で有名なエキスパンションバルブカバー。一番奥のタッピングビスはペダルをつけたままだとアクセスすら容易ではないのですが、大きめのドライバーを使っても外せてしまいます。作業時間は数秒。この段階で既にペダルを外した時間分は取り戻せちゃいます。 タッピングを外したあとのカバーの引き抜きも格段に容易です。 |
![]() | あっという間にエキスパンションバルブは丸裸になります。エキスパンションバルブには4本の配管が接続されていいて、下側奥が16mm、下側手前が22mm、上側2本は19mmです。リキッドタンクから送られてくる高圧液状の冷媒が「下奥」から「上奥」に抜ける過程でバルブを通過し気化します。この時の気化熱で「冷やす」構造。手前2本の配管はエバポレータからコンプレッサーへの戻りになっています。 |
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BXのエキスパンションバルブを交換するのに頼もしいツールがこのクロウフットレンチ。フレアナットレンチになっているので配管には最適です。工具屋オリジナルのセット品ですが、残念ながら22mmは入っていませんでした。22mmは通常のスパナを使い、16mmと19mmはクロウフットを使います。 写真の様な長めのスピンナハンドルも重宝します。 |
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クロウフットレンチ、エクステンション、スピンナを組み合わせて写真の様な「L字型」の工具を組立てます。バルブ下方には長いスピンナを回せるだけの広いクリアランスがあるので、全てのナットが簡単に弛みます。 上側2本の配管はエバポレーターに固定されているので、無理なトルクをかけるとクラックが入るかも知れません。エバポ破損を防ぐためにも特に上側2本の脱着には注意して下さい。 |
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エキスパンションバルブを外した状態。下側2本の配管はバルクヘッドを越えたあたりでゴムホースになっているので自由度が高く、これらを動かすことで簡単にエキパンを取り除くことができます。 写真では既に新しいOリングがセットされています。将来を考えてR134a対応品にしています。必要数は、6mm×1、8mm×2、10mm×1。 |
![]() | 新しいOリングはセットする前に、R12用のコンプレッサーオイル(スニンオイル)に浸けました。全体が湿る程度でOKです。Oリングは締め付けすぎでも漏れるので締め過ぎにも注意して下さい。 |
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新しいバルブを取り付けます。実はペダルを除去しないで作業すると最も苦戦するのがココ。作業クリアランスが少ないので配管のナットを締める(厳密にはネジ山を合わせる)のが至難の技になるハズです。 でも今年はあっさりとクリア。去年はここだけで数時間かかっています(^^;。コツとしては上側2本の配管(矢印)を先に接続してから下側を接続すること。先述しましたが、下側2本には大きな自由度があります。 |
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ついでなので諸悪の根元リキッドタンクも交換します。リキッドタンクが輩出するゴミ(乾燥剤?)がエキパンに詰まってエアコンが壊れます。 TRSはキャブ車なので、リキッドタンクへのアクセスは非常に容易でした。TZIはここにエアクリーナーボックスがあるため、エアクリ&左ヘッドライトユニットを外す必要がありました。 |
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新旧リキッドタンク(レシーバドライヤー)の比較。旧いタンク(右)についているプレッシャースイッチは新しいタンク(左)にそのまま移植します。 コンプレッサーがONにならない原因の1つとして、プレッシャースイッチの故障があります。この場合はスイッチをキャンセルしてしまえばエアコンは使えますが、冷媒量管理を人間がしっかり行わないとコンプレッサーを壊してしまうことがあります。 |
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修理が完了したので、真空引きをします。流石に真空ポンプは持っていないので、安野板金の安野さんにお借りしました(安野さん感謝です〜)。Loバルブ、Hiバルブを開放したマニホールドゲージのセンターホースに真空ポンプを接続して引いていきます。30分くらいは引いて下さい。 マニホールドゲージはLo側をSUCtion側(バルクヘッドに繋がる方)、Hi側をDIScharge側(コンデンサに繋がる方)に接続します。 |
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すぐにゲージが負圧を示しました。非常に良い感じです。真空引き時に時折、「シュカ・・・・」って音がする場合にはどこかのOリングから外気を吸っています。 最後にR12の冷媒を2缶チャージしたら冷え始めたので、これでしばらく様子をみることにしました。コンプレッサーONで気泡が見えていてOFFになった瞬間に泡が消え、かつ冷えている状態です。 |
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最後に、交換したエキスパンションバルブを分解してみました。バルブのメクラ蓋にドリルで穴を開け、ラジオペンチで回してみます。「・・・・固い(--)」、ペンチが折れそうです。 そういえば、エキスパンションバルブ入力側配管の16mmナットも異常な程固かった。これはもしかすると詰まりによる固着が進んでいるのかもしれません。 |
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仕方ないので金ノコでスリットを入れて、インパクトドライバーで再チャレンジ。ビックリするくらい固〜く固着していました。開けるのに1時間くらいかかった(^^;。 で、写真が分解後のもの、スプリングとオリフィスの弁となるボールが入っていました。矢印は高圧側(液状)の冷媒がバルブに流れ込むためのスリット。 |
![]() | スリットを通った液状の冷媒(赤矢印)は、オリフィス(ここをエキスパンション[膨張]バルブという)を通過するときに気化。冷た〜い気体になってエバポレータへと向かいます(青矢印)。写真左端のキノコの形をしたのものは弁棒に繋がっていて、エバポからの戻りの冷媒の温度によってバルブの開き具合を調整するするサーモスタットの様な働きをします。弁棒の動きが正常でなくなった場合も、詰まった場合と同じ症状になったり、クリアランスが広すぎて十分な気化ができずに冷えなくなったりします。 |
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オリフィス周辺(緑矢印)は酷い状況でした。スリットに繋がるホール(ピンク矢印)は詰まっていませんでしたが、オリフィスは弁棒が手前まで来ているにも関わらず、光すら通しませんでした。 洗浄すれば再使用できる可能性はありますが、交換の手間と部品の安さ、キノコ部の信頼性、etcを考えると新品に交換した方が良いと思います。 |
一般には、シトロエンBXのコンプレッサーはサンデン製「SD-709」だと知られています。しかし、僕のTRSのコンプレッサーは「SD-510」というタイプのものでした。同じサンデン製のR12用ですが、SD-709が7シリンダーなのに対し、SD-510は5シリンダータイプ。排気量は約9ccと約10ccでほぼ同じです。どう違うのかはよく解りませんが、7シリンダーの方が静かなのかな??。高回転対応だと嬉しいのだけどな〜。
なぜこのコンプレッサーがついていたのかは不明です。O/H時に交換されたのかもしれません。
#サンデンSDシリーズのサービスマニュアルはココ