【BX16TRS】 スターター対策 (スターターモーター交換、リレー対策)

 昨年(2003年)の夏くらいから、(ごく希に)セルが回らずエンジンがかからない症状が出始めました。とりあえず、アーシングをしたり配線のチェックをしたりしてみたのですが全く改善される気配もありません。症状は以下のようなものでした。
  1. キーを回しても、「カチっ」というソレノイドの音は聞こえるがモーターが回らない
  2. 2〜3度上記を繰り返すと必ず始動できる
  3. 外気温やボンネット内にこもった熱などの影響はないように感じる、ランダムに発生
  4. とは言うのものの、症状が出るのは希でテスターによるトラブルシュートもままならない状態
 当初、症状(特に「3」)から、BXお約束トラブルの一つでもある「キーシリンダスイッチ」を疑っていました。しかし、ボンネット内をチェックしてみるとスターターソレノイドへの配線にオリジナルではついていなリレーが追加されていました。明らかにキーシリンダ対策です。既に(僕が買うずっと前から)キーシリンダに大電流が流れていないことが解ってしまいました。
 気休めに追加リレーを容量の大きな30Aのタイプに交換して見ましたが変化なし・・・・。さらにしばらくすると
  1. スターターの動作時に「カカカカカ・・」というノイズが混ざる(ことがある)
  2. しかしながらスターターモーターの動きは快調・・・?
という症状が現れ始めました。確かに「3」や「6」を考えるとスターターを疑うのは「?」ですが、カカカ音は少し気になります。スターターが犯人かどうかの断定はできませんが、問題を切り分けるためにも新品に交換してみることにしました。

 ※作業開始前に必ずバッテリーのターミナルを外して下さい。


 エンジンルーム内に追加されていたリレーは2つ。左フェンダー内側のリレー群にステーを追加して装着されていました。ピンク矢印の方はフォグランプでしたが、グリーンの方の配線を追ってみるとスターターのソレノイド端子に繋がっていました。
 明らかにキーシリンダ対策です。オリジナルのソレノイド配線を追加リレーの駆動用電源として使用し、バッテリーから直接ソレノイドケーブルを引いています。
 オリジナルの配線を簡単な図にするとこんな感じ。スターターには常にバッテリー(+)に接続されているメインケーブルと、スターターを起動させるためのソレノイドケーブルが配線されています。始動時にはキーシリンダSWによってソレノイドケーブルに電流が流れる仕組みです(ピンク矢印)。
 比較的大きなソレノイド電流がキーシリンダSWを直接通過してしまうため、経年劣化でキーシリンダSWが壊れてしまうことがあります。旧いクルマには多い症状で、フェッタや75なども同じトラブルがあるんです。
 対策方法が左の図、エンジンルームにリレーを1つ追加するだけでOK。こうすれば、キーシリンダSWを通過するのはリレー駆動に必要な僅かな電流だけ。キーシリンダSWを壊してしまうとメインキーとドアキーが違ってしまうこともあるので、症状がなくてもリレーを追加しておく方がよいと思います。
 最初はキーシリンダを疑いましたが既にリレー対策が施されていました。そうなるとスターター本体が壊れた可能性が出てきます。
 1.6LのBX、特にキャブ車はスターターの脱着が容易です。工具さえあれば「お昼休みにちょっと交換」が可能なくらい(笑)。スターターはラジエター裏側、フローデスビの真後ろにあります(ピンク矢印付近)。
 アクセスするにはエアクリーナーBOX(緑矢印)を外します。10mmナット1個と、ブローバイなどのホースを2箇所外してクリーナーBOXを取り除くとスターターが完全に見えます(1.9Lモデルはインマニを外す必要がある可能性があります)。
 スターター拡大写真です。ドライバーで指しているのがスターター本体。赤いコネクタの少し細い配線がソレノイドケーブル。すぐ横の被覆を被った黒くて太いやつがメインケーブルです。
 スターターは5カ所で固定されていますが、写真には後方の2点(「a」、「b」)が写っています。ブラケットを介して腰下に11mmボルトで留められています。なお「b」ではLHMの高圧配管と一緒に留められています。
 ミッション側はエアクリーナーBOXの真下辺りのボルト3本(「A」、「B」、「C」HEX8mm)で留まっています。但し、マニュアルトランスミッション車の場合は「C」のボルトにアクセスするには、クラッチレリーズフォークを動かしているレリーズレバーを取り除かなければなりません。
 レリーズレバーは「D」の22mのボルトを除去すれば簡単に外せます・・・が、
 レリーズフォークとレリーズレバーの間に、こういう小さなピンが挟まっています(上の写真の水色矢印)。ピンの両端は全く固定されてはいないため、レバーの支点になっているボルトを抜いてしまうとピンは落ちてしまいます。飛ばしてしまってなくしたりしない様十分に注意して下さい。
 もう一度、仕組みをチェック。L字型の金具がレリーズレバーでクラッチワイヤー(写真右端)が接続されています。ペダルが踏まれてワイヤーが(写真上に)引っ張られると、レバーがピンを介してレリーズフォーク(緑矢印)を写真右側に押し込みクラッチが切れる構造です。
 ちなみに、ピンクの矢印のネジがクラッチの調整ネジです。ここの調整を怠ると、クラッチディスク摩耗時にピンが脱落してクラッチ操作ができなくなることがあります。
 レリーズレバーを外せば、「A」「B」「C」3本ボルトを外すことができます。でも、カナ〜リ固いと思いますよ。30〜40cmくらいの長さのフレックスハンドルと8mmのHEXソケットがあると早いです。
 メインケーブル、ソレノイドケーブル、アースを外せばスターターは完全にフリーになります。
 スターターを上に引き抜くには、オイルの給油口(ピンク矢印)の上部を固定しているナットを除去し自由度を増しておきます。給油口を写真右側(車体左側)に倒してできたクリアランスから上部に引き抜きます。このとき、緑の矢印のナットを外してスターターからブラケットを外してしまうと、より簡単に引き抜くことができます。
 新旧スターターの比較。右側の新品は純正相当の社外品です。ちなみに、BX16Valveはさらに小型のインダクションタイプに変更されています。遊星ギヤを介するインダクションタイプのスターターは小型軽量なだけでなく電気的な負荷が小さいので16Valveのスターターが使用可能であればそちらを使う方が(信頼性を得るには)ベターだと思います(ミッションケース側の形状確認をしていないため使用できるかどうかは未確認です)。
 実は僕のフェッタも75TS用のセルモーターに交換しています。遊星ギヤを使用して(減速して)いるモーターは最初から高速で回転することができるため、電気的な負荷がホントに軽いです。ただ、最初から大きなトルクが必要な昔のセルモーターが奏でる「ク・・クォクォクォォォ」という独特の雰囲気はなくなってしまいます。「シュルルルルルルル」になっちゃう。
 なんて脱線していたら、問題発生(^^)。「a」および「b」を留めていたブラケットが新しいスターターにはつかないことが判明しました。
 ほらね。完全に脚の穴の位置が合ってないです。穴の位置があっていたとしても、スターターの長さが違うのでどちらにしてもブラケットは使えません。
 早速何カ所かに電話して、フライホイール側の「A」「B」「C」3箇所の固定だけで問題のないことを確認します。そういえばフェッタもフライホイール側でしか留まっていません。ブラケットは使わないことに決定です。
 ブラケットを除くと、旧いスターターから移植しなければならないパーツはこのセンタリングピン1個だけ。スターターの位置決めをする重要なパーツですが、なぜか新品スターターには付属していませんでした。
 センタリングピンは鋼でできているので、割らない様に注意しながらプライヤーなどで引き抜きます。一部スリットが入っていてバネの様な構造になって収まっているので、縮めながら引っ張ると簡単に抜けます。
 新しいスターターへはプラハンなどで軽く叩き込めば綺麗に収まります。
 スターターを取り付けます。モーターが小さくなったことと、ブラケットを使用しないため作業は簡単です。取り付けは「A」「B」「C」3箇所のみ。ピンクの矢印のところ(HEXボルトでいうと「B」)にセンタリングピンが入っています。
 メインケーブル、ソレノイドケーブル、アースの接続を確実にし、バッテリーターミナルを接続します。ついでにターミナルも新調してみました。BXのターミナルは柔らかすぎて痛みやすい気がします。
 再始動してみると、非常に快調。・・・と思うのもつかの間、翌日にはまた同じ症状が出てしまいました(^^;。
 くそ〜。仕方なく徹底的に配線を追いかけてみることにしました(最初からやれよ)。ステアリングコラム回りの配線チェックをしてみると、イグニッションの配線に謎の追加リレーを発見しました。どうやら電源を取るために誰かがリレーを追加していたみたいです。怪しいのでコネクタをチェックすると・・・
 「スポっ」と1本が簡単に抜けちゃいました。単純なカシメ不足ですね(ふざけんな〜)。コネクタを作り直してからは症状が出ていません。


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