鬼橋日誌(おにはしにっし)
鬼界事務所の構成員、鬼界と橋本が書く日誌です
                    

・2000.5.12〜12.31の日誌は、こちら
・2001.1.4〜5.31の日誌は、こちら
・2001.6.1〜10.21の日誌は、こちら
・2001.10.22〜2002.3.30の日誌は、こちら
・2002.3.31〜8.31の日誌は、こちら

・2002.9.1〜12.31の日誌は、こちら
・2003.1.5〜5.5の日誌は、こちら
・2003.5.6〜9.2の日誌は、こちら
・2003.9.3〜12.31の日誌は、こちら




4月30日(金よう日) 日直・鬼界
昨日、東京の湿度は9%で
各局の天気予報のおねーさん・おじさんは
こぞって
「カラッとして、さわやかな気持ちのいい晴天で
まさに行楽日和の一日となりました。」
と言っていた。

確かに気持ちよかった。

でも、これが2ヶ月前なら
「空気がカラッカラの状態です。風邪をひきやすくなっています。
外出から帰ったら、必ずうがいを。」
と言ってるはずだ。

この違いはなに?
悪者だった9%の湿度が、いつから、いいものになるの?
天気予報のおねえさん・おじさんは言ってて恥ずかしくないか?
「あれえ?あたし、なんかムジュンしたこと言ってない?」
とは思わないか?
・・・・・思わないだろうなぁ、あのおねえさん・おじさんたちは・・・。

そんなことより大問題は、サッシの窓を開けるたびに感電死しそうになる。
いつまで続くの、この静電気?


4月29日(木よう日) 日直・鬼界
今、公演中の友だちからメールが来た。
ものすごーくガラガラなので、見に来てくれ、とのことだった。

そうなんです。
GW中の演劇は、ホントに全然お客さんが入らないのです。
どこの劇団がやってもそうです。
旅行へ行く人が多いったって、
全人口の一部なわけで、
どこへも行かない人のほうが断然多いはず。
普通の連休だったら、お客さんは入るんです。
なのに、GWだと、ぜんぜんダメ。
なんでだろうなぁ?
不思議だなぁ?

ってわけで、今日は演劇を見に行ってきます。
じゃあ、用意すっか。
ちっ、めんどくせえなー、せっかくのGWなのに、演劇か・・・。

ん?
あ、そっか、みんなこういう風に思ってんだ。
なんか、すごく納得・・・。


4月28日(水よう日) 日直・鬼界
明日からGWだ。
僕は、30日からオランダとベルギーに行って来ます。
アムステルダムの運河めぐり!
ブルージュでグルメ三昧!

ウソです・・・。

そんな遠い所へは行けません。
本当は、伊豆・修善寺へ2泊3日の小旅行です。
こじんまりとね。


ウソです・・・。

どっこへも行きませんっ!
ちぇっ・・・。
その代わり、旅行パンフだけはたくさん見ました。

たとえば、北陸の旅。
‘滑川ほたるいかミュージアムで、
幻想的な青白い光を放つほたるいかの神秘に触れる’ツアーなんてのがありました。
夕食は、レストラン光彩で、‘ほたるいか料理’。

それってヒドくない?
「うわぁ、ほたるいかってスゴいなぁ!本当にほたるみたいに光るんだぁ!!
キレイだなぁ!」
って感激してた子供になんて説明すんの?
「さっきキレイに光ってたほたるいかだよ。食べてもおいしいんだよ。」
って言うの?
マジ?

さらに、北海道の旅。
‘羊蹄山ひつじ牧場でひつじと散歩できます’っていうツアーの昼食が
‘ジンギスカン食べ放題’。

これはいくらなんでもマズいだろ。
「わぁ、ヒツジってかわいいなぁ。おとなしいし。毛がフサフサしてる。
ね、お父さん、このヒツジにメエちゃんって名前つけてもいい?
メエメエ鳴きながら、僕をペロペロなめるんだよ。
さ、メエちゃん、お散歩に行こっ!僕たちは友だちだよっ!!」
って大喜びしてた子供になんて説明すんの?
「さっきかわいがってたメエちゃんだよ。食べてもおいしいんだよ」
って言うの?
マジっすか?


4月27日(火よう日) 日直・橋本
 確かに、
鬼界さんは、怪しい。
以前から、
稽古中に何度か、
「警察に職務質問された」と聞いた覚えがある。
にせアディダスのジャージズボンに、
穴あきTシャツ。
帽子を深くかぶり、マスク。
背中には、
稽古に使う物がナンヤカヤと入った、ズタ袋のようなリュック。
身長につりあっていない、異常に高くしてあるサドルの、マウンテンバイク風チャリ。
なに、それ、盗んだの?
こんな人よ。
声かけられないワケが、ない。
で、
警察官にカバンの中身を見せるよう言われて、
出したのが、
その時、稽古中だった、お芝居(公演『中央区銀座』)の小道具の数々。
「オモチャの拳銃」
「目だし帽」
「裸のキューピー人形」ら。
身の証を立てるために、
警察官の前で、
例の、あの「警官コント」を、
一人三役で演じて見せたっていうからね、
路上で。
せめて、脚の長さに合わせりゃいいのに、
チャリのサドル。
 ちょっと前に、
仕事で、鬼界さんと一緒になった時のこと。
現場のスタッフの一人が、
鬼界さんに、
「鬼界さんって、
オカマっぽいですよね。
よく言われませんか?」
と、明るく聞いていた。
鬼界さんは、
おちょぼぐちにした口元に、可愛く手をあてがい、
「そんなことないわよん。」
と、上目づかいに答えていた。
・・・やっぱ、怪しいよ、鬼界さん。
誰が見ても、怪しいんだよ、やっぱ。
いつか、なにかで、
逮捕されるんじゃないか?


4月26日(月よう日) 日直・鬼界
 〜アルカイダと間違えられる 後編〜
「あ、これ?
これは、折りたたみ式のカート。
折りたたむところのネジが取れちゃって、バラバラになってんです」

棒状の金属や、金属の骨組みを警戒していた奥田巡査部長は
ホッとしたような、ガッカリしたような、拍子抜けの顔になった。

ざまーみろだ。
無実の善人を疑うから、こんな事になんだよ、バーカ。

しかし、奥田巡査部長は、へこたれない。

「あぁ、カートね。重いもの運ぶときには便利ですよね、カート。
カート以外は入ってないのかな?
ちょっーと、カートを出してもらえますか。
(鬼界、カートを出す)
あっ、なにもないですね。お手数かけました。
では、横のポッケを開けてもらえますか。
まずは右側から。」

道ばたで、奥田巡査部長に所持品検査をされているうちに、
人が集まってきた。
草色の長Tに、薄汚れたチョッキを着た、肉体労働者風のオッサンと、
トレーナーにチノパンの、休日のお父さん風の青年だ。

見せモンじゃねえよ!
僕がガンをとばして、にらみつけた瞬間、
二人はポケットから、警察手帳を取り出した。

「すいませんねぇ、ご迷惑かけて」
同時に同じセリフをしゃべりやがった。
さすがコンビだ、イキもピッタリ合っている。
茉奈・佳奈かと思ったぜ。

3人は正三角形のポジションで僕を取り囲んでいる。
本格的な捜査体勢だぁ!

が、1分後、3人は
「ご協力どうもありがとうございました」と声をそろえ、去って行った。
だって、怪しいモノなんて、なーんも持ってないんだもん。
もし僕が
時限発火装置とか、カラシニコフを持ってたら、
この連載もあと50回は続いただろうに。
惜しいことをしました。


4月24日(土よう日) 日直・鬼界
 〜アルカイダと間違えられる 前編〜
昨日、夕方、自転車で走っていると
「おにいさぁん、すいませーん。ちょっとぉ、おにぃさーん」
と、誰かが後ろから追いかけてくる。
僕が止ると
「すいませんねぇ、ちょーっとカバンの中、見せてもらってもいいですか」
と、胸ポケットから警察手帳を取り出した。

刑事ドラマでおなじみの、手帳型の警察手帳じゃないんですね、今は。
二つ折りで、金属でできた警察印の星がついてるほうを持つと、自然にパラッと開き、
中の顔写真が見える、アメリカ式なんですね。

“巡査部長 奥田匡史”
警察手帳には、そう書かれていた。
「おくだ・・・なんて読むんだろう?」などと僕が考えてる間も
黒いスーツの奥田巡査部長はしゃべり続けている。

「ほんと、すいませんねぇ。今ね、アルカイダの関係で、テロの取締りをやってるんですよ。
カバンを持った人は皆さん、中身を調べさせてもらってるんですよ。
お忙しいとこ、ホントすいませんねぇ。
お仕事帰りですか?今日も暑かったし、大変でしたねぇ。
真夏みたいですもんねぇ。
で、大きいカバンに見えるんですが、なにが入ってるんですか?」

ペラペラペラペラよくしゃべる男だ。
でも、ちょっとバカ?
どう見ても大きいカバンなのに、
「大きいカバンに見えるんですが」って、どういうこと?
が、
低姿勢で、愛想よく、にこやかにそんなことをしゃべっているが、
目が笑ってない。ちょっとコワい。
僕が止められてる間も、カバンを持った大勢の老若男女が通り過ぎていくのに、
誰のカバンもチェックしようとはしない。
明らかに、僕だけを疑っているのだ。

まあ、そのときの僕は
ジャージに、Tシャツで、帽子を深くかぶったうえ、マスクをして
(昨日は風が強くてホコリっぽかったでしょ)
カバンからは金属の棒状のものがつき出てるのだから、
明らかに怪しいんだけどね。

「カバンを地面におろしてもらえますか、すいませんねぇ。
まず、中央のチャックを開けて、中を見せてもらえますか、ホントお手数かけます。」

口調は相変わらず低姿勢だが、
言ってることがだんだん命令になってきた。
奥田巡査部長は自分では決してカバンに触ろうとしない。
一歩下がったところに立ち、右手はヒップポケットのあたりにある。
げ!け、拳銃?

僕は中央のチャックを開けた。
金属の骨組みのようなものが見えてくる。

「これは、なんですか?」
奥田巡査部長の声が厳しくなった・・・。 (つづく)


4月23日(金よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき)

  私の前の席に座っていたのは、
ボウズ刈りの青年。
刈りたてか?
青々としている。
「朝シャン」ならぬ「朝刈り」。
そして、なかなかの‘うなじ’。
に続く‘なで肩’。
カマか?
講習が始まる直前に、小走りで入室して来た青年の顔を、
私は、ちゃんと見ていない。
が、
青ぞりの後頭部、及び、うなじを見る限り、
若い。20代とみた。
 講師が語った、例の「火炎地獄絵図」の中盤、
「おさな子ふたりの運命や、いかに?!」
の語尾で、
講師と目が合ってしまった私は、
それ以降、視線のやり場を、
講師の顔から、目の前にある青年の後頭部に移した。
悲惨な事故の描写に、
青ボウズを凝視し、じっと聞き入る私。
その
青ボウズも、また、微動だにしない。
しかし、講師が、
あの、
子供達の断末魔の声「あついよぉ〜、あついよぉ〜」を再現した、その時、
青年の頭は、ゆっくりと動いた。
彼は、大きく、うなだれたのだ。
なで肩が、一層、ガックリと落ちたように見えた。
その後ろ姿が、
前日に観たドキュメンタリー『少年刑務所』での少年達の姿とダブった。
殺人を犯した少年達を前に、
被害者の母親が、
我が子を殺された悲しみ・苦しみを語る、
その場面で、
少年達は、皆、一様にうなだれていた。
そりたてのボウズ頭をガックリと前にたれ、
母親の
「あの子は、どんなにツラかったろう・・どんなに悔しかったろう・・」
の言葉には、
加害者の少年達は、皆、涙を流していた。
そのボウズ刈りの少年達の姿そのものだったのだ、
「あついよぉ〜、あついよぉ〜」でうなだれた、私の目の前のボウズ刈りの青年は。
これがまた、
少年刑務所の囚人服そっくりの、ブルーグレーのシャツ着てるし、青年。
前日に映像で観た
「被害者と加害者が向き合った、特殊な場面」
に、実際に身をおいたような、
その、特殊な場面の「特殊な空気」を体感してるような、
そんな、妙に、胸が痛むような・・・。
それが土台になったのか、
脚色し過ぎとはいえ、ノンフィクションの悲惨な事故を語る講師の話に、
目頭が熱く・・・。
で、
講師は講師で、
‘うなだれて涙してる、青年と私’ねらい。
「あと少しで落ちるぞ、こいつら」ってな感じ。
つきっきり。
他の講習生、ほったらかし。

「ガックリとうなだれたボウズ刈りの青年のうしろ姿」
は、悲しいものだと知りました。


4月22日(木よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき)

 隣室からの、
アクション映画もどきの「大事故映像」のモレ音に負けじと、
我らが女性講師(推定49歳)は、
口で、大事故の描写を試み始めた。

「悪質で危険なドライバーに対する罰則が強化されました。
‘危険運転致死傷罪’です。
(ここで間(マ)をとり、ゆっくり私たちを見回しながら)
・・・数年前、
大きな大きな事故が起こりました。
悲しい悲しい事故でした。
つらいつらい事故でした。
高速道路で、
家族4人を乗せた乗用車に、
飲酒運転の大型トラックが追突したんです。
キキキキキィーーーーーッ!!(口でSE。)
・・・・(間)
トラックに数十メートル引きずられた後、
車は、なんとか止りました。
んが!!
その瞬間、流出したガソリンに引火!またたく間に車は炎に包まれた!
助手席の妻は、奇跡的に開けることが出来た窓から脱出!
車内に残された夫と幼子(おさなご)2人!
妻は、
その場に居合わせた事故の目撃者らと協力して運転席のドアを、必死で蹴破った!
バンバン!バンバン!(大騒ぎ。)
なんとか夫は救出できた!
んが!!
子供は?!後部座席の幼子2人は?!
(講師と私、目が合う。)
・・・・(間)
(講師、ため息まじりに首をゆっくり横に振り)
ダメでした。熱くてドアに触れることは不可能だったんです。
両親の目の前で、
3才と1才の子供達は、命を失ったのです。
あついよぉ〜、あついよぉ〜、
 お父さん、お母さん、あついよぉ〜
(子供の声色で。)
そう言いながら。
・・・・・(間)。
(いきなり低音で、しかも、なぜか目を細め)
皆さんは、危険な運転をして、人生をひっくり返したいですか・・・・?」

熱いよぉ〜熱いよぉ〜・・・・って、
朗読会「語り継ごう原爆」じゃないんだから。
ちょっと脚色し過ぎなんじゃないかなぁ。
子供たち、
「熱いよぉ〜」とは言ってないと思うなぁ。
っていうか、
アンタ、見てたの?
何度も何度もしてる話なもんだから、
どんどん自分でアレンジしちゃって。
しかし、
この、演出過多の、
『女殺し油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)』ならぬ「子殺し火炎地獄」に、
心震わせる者、若干2名・・・。
        (つづく)


4月21日(水よう日) 日直・橋本
 免許証の更新に行った。
「優良」なので、
講習は、短い「30分コース」だ。
例によって、
まず、ビデオ鑑賞。
「こんな場合、ドライバーが注意しなくちゃいけないのは、どれかな?
前を行く歩行者?
それとも前方の右折車?
うんにゃ、うしろから来るバイクかも?」
みたいなのを、4,5パターン。
さすが「優良ドライバー」向け。
言わずもがなの感のビデオ。
それに比べて、
隣室の「1時間コース」のビデオは、楽しそうだ。
大事故の映像でも見ているのか、
派手にやっている様子。
薄いベニヤの壁を通して、
ドカンドカン聞こえてくる。
加えて、
ドライバーの恐怖心をあおるような、おどろおどろしいナレーション。
ついつい、私は、
隣室の光景を想像する。
「元ひき逃げ犯」「飲酒運転常習犯」「長距離トラックの運ちゃん」
などのコワモテ達が、
貧乏ゆすりしながら、
その、大事故のビデオを見ている光景を・・・。
「なはず、ねーよな。」
とか思ったりと、
要するに、まるで講習に集中していない私の意識を察知でもしたのか、
私のコースの豆タンクのような女性講師は、
「壁が薄くて申し訳ないです。
この、こうるさい状況の中、
皆さんのお心に届くように、わたくし、一生懸命お話させて頂きます。」
と、
通路ギワの席に座った私の真横で、
ピタッと歩を止め、言った。
       (つづく)


4月20日(火よう日) 日直・鬼界
午前8時、テイクアウトできるコーヒー屋に入った。
出勤前のビジネスマンやOLが3人並んでいた。
3人しか並んでないのに、
やけに進むのが遅い。
店員のおねえさんがドンくさいのだ。

僕の前のエリートタイプのおっさんは
待ちに待たされキレかかっていた。
やっと、オーダーの品が袋にいれられ、
おっさんの手に渡ろうとしたとき、
トレーにアイスティーを2つのせたおばはんが
文句をつけにきた。

「ちょっと、わるいんだけどぉ、こっちのアイスティーが少ないのよぉ。
足してくれる?」

見ると、片方のアイスティーが確かに少ない。
でも、その差は3ミリくらいだ。

3ミリで文句言いにくるか?
あったまオカしいんじゃないの?

なのに、店員のおねえさんは
「あっ、すいませんでしたっ!!」と
慌てて、冷蔵庫からアイスティーのポットを取り出し、注ぎ足している。
しかも、おっさんの袋を冷蔵庫の横へ置いちゃった。
おいおい、とりあえず、袋を渡してから冷蔵庫を開けろよ。
おっさんの額の血管がピクピクしていた。

わるい子じゃないんだけど、
ホント、ドンくさすぎ。

こんな子だから、僕は、ゆっくり、はっきり、くっきり注文した。

ホットの、ブレンドコーヒーの、
スタンダードと
ラージ1個づつ、ください。します。」

文字で書けば、こんな感じ。

おねえさんは
「はい、少々お待ちくださいませ」と答えた、一生懸命な表情で。
わるい子ではないんだよね。

が、デカい紙コップ2個にコーヒーを注いでいるではないか。
どう見ても、ラージ2個だ。

「スタンダードとラージを1個づつなんだけど」
と言うと
「え!あ!すいません」と慌てて小さい紙コップを取り出して
アタフタしている。
バタバタと紙コップ2つを袋にいれ、手渡してくれた。
そして、せわしくレジをたたき、
「すいませんでした。こちら、差額です」と53円くれた。

僕は、まだ、コーヒー代払ってないんだけど。

ま、いいか。
おねえさんが損するわけじゃないし。
それにしても、マジでドンくさすぎだ。


4月19日(月よう日) 日直・鬼界
昨日、神宮球場に野球を見に行った。
斜め前方を見ると、
袖口が折り返しになったダブルカフスのストライプシャツに
黒のストレッチブーツカットパンツで
肩までの髪を手でうしろにはらってる女がいる。
南青山のオフィスに勤めるOLみたいだ。(イメージ)
いい女のようだ。

「ようだ」というのは、僕の席からでは、顔が見えないのだ。
こういう場合は、顔が見えないにかぎる。
顔を見てしまうと、
「サギじゃねえか!」と怒り爆発するケースが多いからだ。

会社帰りに野球観戦か・・・
隣りの席はあいてるけど、長瀬みたいなカッコいい同僚が来んのかな・・
いいなぁ、オフィスラブ・・

あん?
今日は日曜じゃん!会社お休みじゃん。
会社帰りの美人OLじゃないんだ・・・。
群馬の百姓がせいいっぱいのオシャレして東京に出てきたのけ?
顔見えなくて、ラッキーっ!・・・かも?

その美人OL風百姓女は、
とにかく食う。
試合開始とともに、弁当を食い、崎陽軒のシューマイを食い、
回が進むと、チーちく、枝豆を食いながら、ビールを飲み、
試合中盤では、バナナの小枝、ドラえもんブッセ(初めて見るものばかりだ!)を食らっている。

すっごいなぁ、よく食うなぁ、
でも、かなりスレンダーなんだよなぁ、
大量に食っても大量に出すってことなんだろうなぁ、快便快便、すげえなぁ。

そして、6回表・阪神の攻撃中、ふと見ると、
売店で買ってきた豚骨ラーメンを手にその女が席に座るところだった。

うへっ!この期に及んで、ラーメン食うか?
それより間に合うのか?

7回表の阪神の攻撃が始まる前に、
全員で六甲おろしを唄って、ジェット風船を飛ばす大切な儀式があるんだぞ。
ってことは、6回裏には風船をふくらまさなきゃならないんだぞ。
ってことは、それまでにラーメンを食い終わらなきゃならないんだぞ。

僕は試合どころではなくなった。
視線は女に釘づけだ。
女は熱いものが苦手なのか、
麺を数本づつすくい上げては、丹念にフーフー吹いている。
これでは、なかなか食べすすまない。
なのに、鼻水ばかりがたれてくる。
バッグからハンカチを取り出し、鼻水を押さえていたが、
そのうち、手の甲でぬぐい出した。
おぉ、豪快さんだ。
麺を吹いては、手の甲で鼻水をぬぐい、
汁を飲んでは、手の甲で額の汗をぬぐっている。
鼻水を額になすりつけている、とも言えるな・・・。
6回裏のヤクルトの攻撃も2アウトになった。
時間がない。
女はどんぶりを連れに渡し、
(連れがいたのだ!おんなじようなカッコをした女だ!)
バッグから風船を取り出し、ふくらませ始めた。
が、ラーメンを吹きすぎて肺活量を消費したせいか、
ぜんぜんふくらまない。
女は隣りに座っている連れの女に
「これ、ふくらましてよ」とか言って、風船を渡した。
受け取った連れの女は、
風船のふくらまし口を見るなり、風船を突っ返した。
そりゃそうだ、
豚骨の油でギトギトになってるふくらまし口に唇を当てる気にはならないぜ。

こうして、女は
六甲おろしの大合唱のなか、ひとり、豚骨ラーメンを食い続けていた。
阪神ファンじゃねえな、こいつは。


試合は9回裏、サヨナラ負けしました。ガックリ・・・・。


4月18日(日よう日) 日直・鬼界
 〜ニュースのバカ〜 vol.2

イラクで人質が解放されたとたん、
人質バッシングだ。
小泉、福田をはじめ、匿名の“政府高官”まで言いたい放題。
ま、人質になった3人の自業自得だから、
しょーがないんだけど。

自業自得というのは、
「こんなときにイラクに行くから悪いんだ」
ということだけじゃなく
「マスコミの力をわかってない」ってこともです。

木曜日、解放直後の3人の映像が延々と流された。
高遠さん(女性の人質)は、
モゴモゴと口いっぱいに何かをほおばりながら(チョコを食ってたらしい)
ダラけた感じで
「シャワー浴びたい」とつぶやいてるし、
今井君(高校出たての彼)は
ニヤニヤ笑ってて、何事もなかったかのように見えた。

実際は、「ダラけて」もいないし、「ニヤニヤ笑って」もいなかったのだろうが、
どう見えるかが、映像の命だ。
そう見えてしまったら、もう取り返しがつかない。
映像の印象ひとつで世論は簡単に敵にも味方にもなる。

憔悴しきった様子で口もきけないとか、
ただただ泣き崩れるとか、
そういうシーンを無意識に予想してるわけですよ、テレビのこっち側は。
それがあろうことか、あの映像。
「あんなに心配したのに、署名までしたのに、なに、あれ?ちょっとね・・・」って思いますわね。
あとでどれだけ「ありがとうございました。皆さんのおかげです」って言っても手遅れさ。

それに加え
被害者の家族の映像。
人質になってるときの
「世界の皆さん、協力をお願いしますっ」と言ってるときも
感情的で高圧的で、ちょっとヒいたけど、
解放後、
ガッツポーズをして大声をあげたり、
北海道東京事務所(聞くたびに笑ってしまう名前だ)の窓から肩を組んで騒いだりしてるのも、
こっちの感情を逆なでします。

さらに、それに加え
「またイラクに行きたい」発言。
火に油を注ぎました。
カンペキにこっちを敵にまわしちゃった。
そればかりか、政治家にしゃしゃり出るチャンスを与えちゃった。
もし、
あの映像が、3人のヤツれきった表情をとらえたもので、
家族も涙涙で「よかった・・・」「ありがとうございました・・・」と言葉少なだったら
こっちも「ホントよかったね」と味方のままだから、
小泉があんなことを言う隙はなかったはずです。
言ったら反発かうもん。
でも、言う隙を与えちゃった。
しかも、いちおー、スジの通ったようなこと言ってるから、
こっちも「そうだよ、そうだよな」ってなっちゃう。
そうすると、
「ほら見ろ、やっぱ自衛隊じゃなきゃダメじゃないか」ってなっちゃう。
小泉の思うつぼ。

ニュースで流された映像が
自分達の意思とはかけ離れ、どれだけの影響力をもつか、
マスコミのコワさをわかってなかったんですね。

あのコマネチが、
ときの独裁者チャウシェスクの息子に
毎晩毎晩、変態プレイさせられるのに耐えかね、
厳寒のある夜、
コーチと共に、凍りつくドナウ川を裸足で渡りきり、
アメリカに亡命しました。
アメリカ国民は大歓迎。
熱狂のなか、記者会見が行なわれました。
悲惨な体験がつぎつぎに語られ、
テレビの前の全米が「コマネチ命」一色になるとき、
ある記者が質問しました。
「つかぬことをお伺いしますが、コーチとは不倫なんですよね?」
それに対するコマネチの答え。

「SO WHAT?」
(だから、なに?それがどうしたの。)

コマネチはこの一言で、一瞬にして、
全米を敵にまわしました。
コマネチの真意はそういうことではなかったのに、
家族愛を異常に大切にするアメリカ人の反感をモロに買ったわけです。
そして、コマネチは数ヵ月後、アメリカを去ることになります。

映像の印象ひとつで世論は簡単に敵にも味方にもなる。
マスコミはコワいです。

来週は
コマネチがやらされた変態プレイについて詳しくお話しします。


4月17日(土よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき) 

 あんなに前で映画を観たのは、
『愛と哀しみのボレロ』以来だ。
あの時は、
確か、最前列だった。
スクリーンが、全部いっぺんに視界に入らず、
観るのに疲れるのと、つまんないのとで、
始まってスグ寝た(なんせ、まだ10代のガキだったからさ。)。
起きるたびに、例の、あの曲がかかっていた。
最後に起きた時は、
裸の男が、その曲で踊っていた。
寝覚めが悪かった。
最前列席の印象、悪し。
今回も、かなり前。
やはり観にくい。
が、
ジャックの技は、堪能。
隣りに座った4人のオバさま達は、
終始、楽しんでいたようで、
クレジットも、最後まで立たずに観ていた。
 終わって、ロビーに出ると、
次の回を観る人の行列が。
今度も、見渡す限り女性ばかりだが、
若い人が多い。
今、私が観た回は、年輩の女性が多かった。
下に降りるエレベーター内も、
オバさま達でギュウギュウ。
そんな中で、突如、感想が述べられた。
「キアヌみたいな、あんな若い人は居ないわよねぇ。」
「そーよ。
あんな若い人が言い寄ってくるなんて、有り得ないわよ。」
(ヒロインのダイアン(劇作家)は、
自分と同世代の63歳の男性・ジャック(会社経営)と、
20近くも年下の36歳の男性・キアヌ(医者)との間で揺れ動くのである。)

今、スクリーンで観たヒロイン、
ダイアン・キートンと同年代のオバさまたちが、
大マジで言った。
アハッ。
・・・・・マズイ。私以外、誰も笑わない。
咳をしてゴマかした。
別のグループのオバさまが、
「20も下なんて、ねぇ〜。」
と、笑いながら。
ここで、やっと、エレベーター内に、微苦笑が。
 「デパートでランチを食べて、
思いっきりお喋りして帰るの。」
と言う、例の4人連れのオバさまたちと、
「また、いつか、お逢いできるかも。」
と、握手をして別れた。
「久しぶり」のダイアン・キートンを楽しみにしていたオバさまは、
とても満足しているように、私には見えた。


4月16日(金よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき)

 係員が
「お待たせしましたァ、チケット販売開始しましたのでェ」
と、ふれ回り、
「よかっつ。トイレに行く時間も有るな、これだったら。」
と安心したのもホンのつかの間。
行列は、遅々として進まず。
時刻は、既に、
10時50分になろうとしている。
窓口まで、まだ30メートルは有る。
こんな、牛みたいなノロさで進んでるようじゃ、
上映開始時刻の11時になっても、
まだチケットを買えない・・・ってなことも、
マジで有り得る。
バカじゃねーの、丸の内ルーブル。
こんなに混んでんだから、
窓口を10分や15分早く開けりゃいいんだよ!!
さっきまで、
「ダイアン・キートン、久しぶりだわ〜」
(ダイアン・キートンの、どの作品ぶりなのか興味あり)
「最近は、大人が観る映画、なかなかございませんものねぇ」
「(貼ってある、犬のポスターを見て)『クイール』・・?動物モノ?
これも観に来ようかしら?」
などと大ハシャギだったオバさま達も、
さすがに危機感を持ったとみえ、
「どうなるの?どうなるの?」と騒ぎ出し、
案の定、
ポンポンと私の肩を叩き、
「間に合うのかしら?」と。
くそ。こっちが聞きたい。
「ちょっと見てきます。」と、行列の先頭である窓口へ走った。
2つの窓口附近でも、
千円札を手に、イライラして順番待ちをしている女性達。
再び、係員がふれ歩く。
「上映開始時刻は、5分遅らせまぁす。」
走って戻り、オバさま達に報告。
「11時5分開始だそうです。」
すっかり、仲間。
 11時ジャストにチケットを買い、十数人と共にエレベーターに走り込む。
オバさま4人も一緒に乗れた。
館内に入り、私は、まずトイレへ走った。
映画の途中でトイレに立つのは、絶対に避けたい。
見ると、
オバさま4人も、走ってついてくる。
誰か一人、席を確保しに行ったほうがイイのでは・・・?
考えが及ばないらしい。
トイレで、また愕然。
行列。
もう、あと3分しかない。
私は、隣りの男子用トイレに走った。
のぞく。
ひとっこひとり居ない。
「オバさん!誰もいないから平気です!こっち、こっち」と4人を導く。
4人、キャーキャー言いながら、私に続く。
先に済ませた私とオバさま1人とが、
席を探す。
かなり前の方だが、なんとか、つるんで席を取れた。
4人を中に入れ、私が通路際に。
「よかったわ、よかったわ」と喜び合いながら、
ふと、私は気がついた。
「なぜに、私は、この人たちと?
私ひとりだったら、もっと良い席が有るのでは?」
しかし、時、既に遅し。
突然、場内は暗くなり、あっけなく上映が開始された。
まだ、人々はガヤガヤし、
多くの人がウロウロと席を探しているにもかかわらず。
ひっでぇ、丸の内ルーブル。
        (つづく)


4月15日(木よう日) 日直・橋本
 昨日、
映画を観に銀座へ。
例によって、水曜日の「レディース・ディ」。
これまた例によって、初回を。
初回は予告編が無いので、
映画館が開くのは、本編上映の15分前だ。
『恋愛適齢期』の初回上映は11時ということなので、
10時40分に銀座に着くようにした。
窓口でチケットを購入する時間(レディース千円チケットは当日券のみなので)と、
映画館で席を取ってからトイレに行く時間とを、
ちゃんと計算に入れたうえで、だ。
「おそらく、
そんなに混んではいまい。
映画館が開く時間ピッタシに行けば充分だ。」
ぐらいに思っていた私。
マリオン新館附近まで来て、ビックリ仰天。
長蛇の列。
女の人ばっかの大行列。
数百人、並んでいる。
まだチケット販売窓口は開いてないらしく、
行列は、前進している様子、まったく無し。
慌てて、私も列に。
直後、60代半ばくらいのオバさま4人連れが、
「あっら、まぁ!
なぁ〜に?なぁ〜に?すごい行列!
あの、ちょっと、ちょっと(私の肩をポンポンと叩き)、
これは、あれですの?恋愛適齢期を観るために並んでらっしゃるの?」
と尋ねてきた。
「そうです。」と答える。
確かに、
タイトルを言って尋ねるのが正解なのだが、
母親と同年代の、見も知らぬ、上品そうなオバさんが、
大マジメに「恋愛適齢期」なる言葉を使って私にモノを尋ねたのが、
なんだか、ちょっと可笑しかった。
例えば、
イタリア映画『修道女のもだえ』の時も、
「修道女のもだえを観るために並んでらっしゃるの?」
と尋ねるんだろうか?
尋ねるんだろうなぁ、きっと。
 行列は、どんどん長くなっていく。
私のスグうしろに並んだオバさま4人連れは、
「こんなに混んでるとは、思わなかったわぁ。
入れるかしら?入れるかしら?
あの、ちょっと、ちょっと(私の肩をポンポンとし)、
入れるかしら?座れるかしら?」
と不安そうに尋ねてきた。
「座れますよ、どこかには。」
と答えた。
「あら、そーお?良かったわぁ、座れますって!
座れればいいですわよねぇ、立ち見じゃ、なんですけどねぇ〜え。」
と、オバさま達、元気百倍。
私、一抹の不安。
「いや、前の方の席だったら、4人つるんで座れるだろう。」
と、自分のことはさておき、
オバさま達のことを、なぜか心配する私・・・。
       (つづく)


4月13日(火よう日) 日直・橋本
 『はとバス 春の日帰りコース』のパンフレット。
こまごま、ズラズラ、いろんなコースが並んでる中に、
「行き先は、到着してみてのお楽しみ!春のミステリーツアー」
というタイトルのコースを、発見。
「へぇ〜、楽しそうじゃん。」
記事を読んでみる。
なるほど、
確かに、「行程」が明かされていない。
【浜松町(7:30発)=ミステリー=東京駅(19:30着予定)】
のように、
書いてあるのは、発着地のみだ。
謎だ、謎。
どこに行くんだ?
なんだかドキドキするぞ。
結構、イイんじゃなーい?これ。
ふと、
隣りに記載されてるコースの「行程」が目に入る。
浜松町を7:30に出発し、
ひたち海浜公園に行くらしい。
「チューリップまつりが開催」されるとかで、
説明文に、
「必見!咲き誇る20万本のチューリップ」とある。
ふ〜ん、チューリップねぇ。
「ミステリーツアー」の記事に戻り、
説明文を読んでみる。
「特典!20万本のチューリップが見られます!」
・・・・・・。
キミ、キミ、これは、
どう考えたって、
「チューリップまつり」なんじゃないのかい?
行き先は、
「ひたち海浜公園」なんじゃないのかい?
試しに、
もう1つのミステリーツアーの記事をチェック。
やはり、
「行程」は、発着地以外、「ミステリー」となっている。
そして、説明文は、
「特典!いろいろな動物と、ふれ合えます!」だ。
次に、
隣りに載ってるコースの「行程」を見てみよう。
行き先は、
「富士サファリパーク」。
おいおい、キミら(って、誰?)は、アホですか?
これの、どこが「ミステリー」?
「富士サファリパークで、いろいろな動物とふれ合おう!」
との説明書きを読んだ直後に、
「さぁ、どこに行くのかな?
ヒント、いろいろな動物とふれ合えます。」
と質問されて、
「いや〜ん、わかんない、わかんない!ミステリーだわぁ!」
となる人が居ると思うのかい?
わっかんないよなぁ、はとバス。


4月12日(月よう日) 日直・鬼界
 〜ニュースの穴〜 vol.1
イラクで日本人が人質になった。
無事解放されるようだが、
一時は、
罪も無い3人を小泉は見殺しにするのか。
とか
最悪の事態を想定してなかった政府は無能だ。
とか
自衛隊はやはり撤退すべき。
などと
地べたに座らされた高遠さん(女性の人質)が、
口の前で手をグルグル回し
「あなた、英語しゃべれますか?」とテロリストに聞いてるような映像
(見ようによっては、「あなた、ゲロ吐きたいんですか?」とテロリストに聞いてるような映像)
とともに
厳しい論調で報道されていた。

涙ながらに訴える家族と対照的に、
うまく対処できない小泉と日本政府に非難が集まった。

でもね、よーく考えると、
そもそも、こんな時にそんなとこへ行った人って、どうよ?
ってのは、あるわけですよ。

なんでイラクなんかへ行くわけ?
出発前にもっと慎重でなきゃならなかったのでは?
行ったんだったら、自分の身は自分で守らなきゃって、思ってた?

小泉の無能が問題になるのは、二の次のことのはず。

六本木ヒルズの事故にしても、
罪のなすりあいをする森ビルも三和シャッターも悪いが、
その前に
子供の手をちゃんとつないでいなかった母親に一番の責任があるはず。

完全に被害者として報道されるけど、
ホントはそうじゃないはず。

って、ニュースでは絶対にそういう風には言えないけど。


突然、始まりました、〜ニュースの穴〜。
その週のニュースについての感想です。毎週日曜に連載!

って、今日は月曜じゃねえか!
っつうことは、連載!って、・・・・・ウソ?


4月11日(日よう日) 日直・橋本
 例の、
まだ新しい、
15000円もした、
お気に入りのトレーナーに漂白剤をブチまけて、
見るも無惨なボロトレーナーにしてしまった日から、
早、5日。
その、もう外へは2度と着て行けないミジメなトレーナーは、
いまだ、しまわれもせず、
部屋の隅に、ハンガーで吊るされたままだ。
自分の、あまりなドジぶり、頭の悪さへの見せしめの為の、
まるで、さらし首のようだ。
そう、見せしめ、見せしめ。
「漂白剤の取扱は慎重に。」
今回のことは、いい教訓よ。
それに、
こうして見なれてしまえば、
「最初から、こーゆー、マダラ模様だった」
と思えたりもするもんね。
するか?
するわきゃねぇ。
あぁ、悲しい。あぁ、ツライ。
トレーナーごときで嘆き悲しむ私を、
どうぞ、笑わば笑って。
この悲しさは本人のみぞ知る、だ。
そんな捨てバチになってる私だが、
今朝、思いかけず、嬉しい事が。
昨夜、録画した
『ドリフ結成40周年記念 8時だヨ!全員集合 懐かしの映像』を流し見していたら、
「ビッグゲスト傑作選コーナー」で、
なんと、三船チン(三船敏郎)が!
『8時だヨ!』に、まさか三船チンが出演し、コントをやっていたとは。
戦国武将姿の三船チンに、
やはり武将姿のいかりや長介が、
「三船氏ともあろうお方が、
何ゆえあって当番組に御出演召されたか?
もしかすると金銭ずくかな?」
と尋ね、観客を笑わせていた。
三船プロ製作のテレビ時代劇の宣伝がてらの出演だったのかな?
すごいなぁ、『8時だヨ!全員集合』って番組は。
「世界のミフネ」をひっぱり出しちゃうんだから。
志村けんが、
「か〜ら〜す〜、なぜ鳴くの〜、からすの勝手でしょ〜」
と唄う横で、ムッと仁王立ちする三船チン。
なぜか照れちゃって見てられない私。
歌が終わる。
三船チンの、
「勝手にしやがれ!」という去りのツッコミは、
お客の騒ぎ声で、かき消される。
ひぇ〜。いよいよ見てられない。
が、去りぎわ、
三船チンが、アドリブで‘ヒゲダンス歩き’を披露。
観客、大歓声。
あぁ、三船チン・・・好きだ!
既に亡くなって何年も経つ三船チンの、
こんな‘素(す)’に近い姿は、
もう2度と見ることは出来ないだろう。
最初で最後だ。
録画して良かった。


4月10日(土よう日) 日直・鬼界
きのう、書き忘れたんで、書いちゃおっと。

NHKの花粉情報なんだけど、
「非常に多い」「多い」「やや多い」「少ない」
の4段階って、すっごくわかりにくくない?

「多い」と「やや多い」って、どっちが多いの?

すぐにわかんなくない?

むかし、東京の地下鉄の発車案内が
「つぎ」と「こんど」になってたのに似てる。
「つぎ:1番線・新宿行き、こんど:2番線・新宿行き」って表示されても、
どっちが先発じゃい!って感じでしょ。

でもね、
たとえば、「黒い」と「やや黒い」だと、
「黒い」のほうが黒いのはすぐわかんだよね。
なんで、「多い」だと、わかんなくなるんだろ?

とぉーっても不思議。

うへっ?
もしかして、そう思ってんの、僕だけ?
だったら、今日の日誌は意味不明じゃん。
そうじゃないことを祈りつつ。


4月9日(金よう日) 日直・鬼界
 (きのうのつづき)
その瞬間、テレビの画面のすぐ裏あたりで
「パチパチッ」と音がして、
カラーテレビが白黒テレビになったのだ。

と言っても
テレビにニョキニョキと4本の足がはえ、
テレビの上にはレースのクロスがかかり、
ヘタしたら、テレビに扉がついたりして、
昭和30年代のテレビジョンに変身したわけではない。

って、しょーもないこと言うてんな!とお思いだったりして・・・。

カラーで映ってたのが、突然、白黒になったのだ。

ええっ!!
慌てて、チャンネルを進ませると、
3チャン、4チャン、6,8,10,12、ぜーんぶカラーだ。
なーんだ、一時の気の迷いだったんだ。
ホッとして、1チャンに戻ると、白黒だった。

叩いても、蹴っても、白黒。
電源をオンオフにしても、白黒。
コンセントまで抜いてみたけど、白黒。
白黒、しろくろ、シロクロ、どう書こうが、NHKだけが色を失ってしまった。

白黒テレビになって、一番困るのは、花粉情報だ。
関東地方の地図が、
「非常に多い」「多い」「やや多い」「少ない」
の4段階の色で塗りわけられてるはずなのだが、
ぜーんぶ一緒に見える。
関東全域がグレーで塗りつぶされてるだけ。
さっぱりわからん。
さらに、
出てくる人が全員、喪服を着てるようでつまんない。
『NHK歌謡コンサート』を見ると、みーんな、派手なデザインの喪服。
天童よしみなんかキチガイみたいだ。
喪服じゃない人は、派手なデザインなのにやけに白っぽい殺風景な服。

あーあ、テレビ見る楽しみが減っちゃったな・・・。
ゾウキンを固くしぼんなかったのがいけなかったのかなぁ。
けっこうビチャビチャめでふいたんだよねぇ。
水が入っちゃったのかなぁ。チェッ。


4月8日(木よう日) 日直・鬼界
NHKがおかしい。

と言っても、
“有働由美子アナは、ニュース10のキャスターに抜擢されたはずなのに、
なぜ、ニュースを読ませてもらえないのか?
なぜ、ニコニコしながら、街の話題やスポーツばかりを担当してるのか?”
ということではなく、
僕のテレビのおはなしです。

僕のテレビはブラウン管テレビだ。
テレビ本体のうしろ半分がやたらとデカくて重い(液晶テレビ約10台分に相当するかと思われる)、
あの古い型のテレビだ。
しかも、画面はフラットではなく、曲面だ。
古っ!すっげえ古い!!

古くたって、まだまだキレイに映るもん。

ただ、難点は、
テレビをつけたときに、異常に静電気が発生することだ、バチバチッ。(落雷10回分に相当)
静電気はホコリを呼ぶ。
2,3回、つけたり消したりを繰り返すと、
画面がびっしりとホコリでおおわれ、
霧のロンドンで街頭テレビを見てるような状態になる。

いつもは、わざわざ、テレビ専用のダスキンみたいな乾いた布でふくのだが、
ひらめいた。

こんなことしなくたって、
濡れゾウキンでふいちゃえばいいのでは?
ダスキンみたいな布をいちいち買うのメンドくさいし。

さっそく、実行!
すると、その瞬間・・・・ (つづく)



なんで、こんな話までつづくにせなあかんねん!とお思いだったりして・・・?


4月7日(水よう日) 日直・鬼界
近隣住民に告ぐ。
毎晩毎晩、午後11時30分すぎに揚げ物をするのはやめてもらいたい。
昨日はコロッケ。
一昨日は鶏のから揚げ。
その前はトンカツ。
その前は串カツ。
なんで毎日毎日そんな時間にメシ食ってんだ。
いったい、なにメシなんだ?
しかも、毎日毎日揚げ物で、朝、胃もたれしないか?
そもそも、太るぞ。
もしかして、出勤前なの?
夜警さん?
とにかく、油の匂いが我が家へ流れ込むのだ。
ゲップ出そうになるし。
非常識な時間に揚げ物をするのはやめてもらいたい。


4月6日(火よう日) 日直・鬼界
今ごろ、なんなんだが、
冬物をクリーニングに出した。

“4月1日(木)〜4日(日)
ドライクリーニング 40%OFF!!
お持ちになったときに、その場で30%オフ。
お引き取りのときに、10%のポイントバック。
(仕上がり日から2日以内のお引き取りに限ります)
TOTAL 40% OFF!!
SPRING’S CHANCE!!”


こんな、英語と日本語が混じったチラシが

てゆうか、正確には英語じゃないけど。
「春のチャンス」って言いたいなら、「SPRING CHANCE」でいいのでは?
「’S」(アポストロフィー・エス、って習いましたねえ。懐かし。)は不要だ。

ポストに入っていたのだ。

コートやらジャンバーやらセーターやら、なんやかんや持ってって、
5500円が
その場で30%オフで3850円!

1650円も得した。
映画1本見られるぜっ!!

そして、もちろん、仕上がり日に引き取りに行った。
気さくなオバチャンが応対してくれた。

「ご利用ありがとうございましたぁ。
2日以内のお引き取りなので、
10%のポイントをつけときますね。
えぇと、3850円だから、385円のポイントで・・・」

と言いながら、39ポイントつけてくれた。

「ホントは、38ポイントなんだけど、
39ポイントにしたほうが、気持ちいいじゃない。
私が受け付けしてるときは、いっつもそうしてんの。
内緒ね。ウフ。」

うおお、ラッキーっ!!
40%オフに加え、10円得したぜぃ!!

僕はとても幸せな気持ちになった。


が、
違うんです。
トリックに引っかかってんです、僕は。
気がつきました?

トータル40%オフにするためには、
5500円×30%=1650円 【その場の30%オフ分】
と、
5500円×10%=550円 【ポイントバック分】
を割り引かねばなりません。
つまり、ポイントは55ポイントのはずです。
実際に支払った代金3850円の10%バックでは
トータル40%オフにはならないのです。

この事実に気づいたとき、幸せ気分は半減した。

ま、きっと、クリーニング屋自身も気づいてないだろうから、いいけどさ・・・。


4月5日(月よう日) 日直・橋本
(おとといのつづき)

 「なりきって」「ひたりきって」唄う、
これは、
大事なことでございます。
以前、舞台で、
私は、
「マリリン・モンロー」になりきったことがございます。
 またまた今朝も、
ドライヤーで髪を乾かしながら聞いてしまった、
『お熱いのがお好き』のサントラ。
マリリン唄う、あの有名な曲、
「あい わな び〜 らっば ゆ〜 
じゃすと ゆ〜
のっばでぃ えるす ばっと ゆ〜」
が、大好きなのでございます。
その愛する曲を舞台で唄うチャンスを得た私は、
覚え込みました、フルコーラス
唄いこみました、フルコーラス
踊りこみました、フルコーラス
本番の日まで、とことん。
 その日を最後に閉館する名画座が、
映画マニアのテロリストに占拠された。
解放してもらうために、
やはり映画マニアの客たちは、
テロリストが喜ぶような「一芸」を、各々、披露していく・・・という出だし。
いきなりのテロの要求に、
私以外のお客さん役の人達は、よく事態を飲み込めていないふうな設定。
お芝居を観てる実際のお客さんも、
イマイチ、解かってないふう。出だしだし。
で、
そんな、
劇場中全員キョトンとした状態の中で、
「いち早く助かりたいが為に、
得意のマリリン・モンローの真似をする」私の勇気って、どう。
しかし、
勇気もなにも、
だいいち、私が何をやりだしたのかが、お客さんたちには判らなかったようだ。
唄いだす前に、
モンローウォークで舞台を一回りするアドリブが余計だったかもしれない。
歩き出してから、
「下半身をわずらってる人」かと、自分でもチラと思った。
イメージしていても、実際やってみると、
「やや!チガウぞ?!」と思うことって、いっぱいある。
モンローウォークも、そうだった。
せめて、
いきなり唄い出せば、
「まぁ〜!モンローだわ!モンローだわ!」と、
お客さんに、すぐさま判ってもらえたにチガイない。
私が一回りする間、劇場中が「?」の静寂で満ちることはなかったであろう。
打ち上げで、
「魔の時間を作りやがって」
と、皆に非難されることも無かったであろう。
だが!!
あの、モンローウォークもどきがあったからこそ、
あの時、私は、モンローになりきって唄い出すことが出来たのだ!
あのモンローウォークしてる間に、
モンローが、私に降りてきてくれたのだ!

・・・そう。
惜しむらくは、
「魔の時間」に耐えられなくなった音響さんが、
「あい わな び らっば ゆ〜」の唄い出しでスグ、
カ〜ンと1つ鐘を鳴らしてしまい、
「唄ってないも同然」でスゴスゴ引き下がったこと・・・。


4月3日(土よう日) 日直・橋本
 友人Y美宅のピアノの上に、
書きかけの詞が。
次のライブで唄う曲の作詞かな?
おもにスタンダードを唄うY美だが、
たまにオリジナルも唄う。
春だし、
なんかヒラメいたか、ヤツも。
読んじゃえ。
「桃栗三年、柿八年。
梨の大バカ、十八年。
私は、片栗の花。
十八年で実を結ぶ。
そう、私は、片栗の花。」
・・・これって、
細川たかしの「私バカよね〜、おバカさんよね〜」を、
‘チガウふうに言ってみました’ってやつなのかしら。
「芽が出てから実がなるまで18年もかかる梨は、おバカさん。
でね、片栗も、そーなんですよ。バカなんです。」
ってことでしょうね、どうやら。
なに、これ、演歌?
ポロロロロ〜ンと、これ弾き語るの・・・?
桃栗だとか梨だとか、
カブトムシの幼虫飼ったりだとか。
おまえは、長野県の素朴な少年か?
でも、待てよ、
出来上がってみると、
案外、イイ歌かもしれないぜ。
陽水の『とまどうペリカン』が完成する前、
「あなたライオン〜、わたしペリカン〜」の詞だけを見た桑田佳祐は、
「なんだ、こりゃ。動物園の歌?」と思ったそうだもの。
それが、どうよ、
出来上がってみたら、
桑田も感服の名曲だ。
「わたしは片栗」も、
‘なりきって’‘ひたりきって’唄えば、いけるかもだ。


4月2日(金よう日) 日直・鬼界
電車に乗ってると、
リクルートスーツの女の子がやたらと目につく。
なーんか、スーツを着こなしてないというか、
スーツに着られてるというか、
なーんか、周りの風景から浮いてるというか。
会社訪問も大変だなぁ、
と思ってたんですが、
違うんですよね。
新入社員なんですよね。フレッシュウーマン。

春です。

桜があちこちで咲き乱れ、
ついつい、上を向いて歩いてしまう春。
昨日は一時停止の標識にぶつかりそうになったし、
美しいけど危険な春。

桜に目を奪われがちだけど、
驚くのが、若葉です。
おとといまで枯れ木だったのに、
今日見ると、青々と葉っぱが繁っています。
夜中にマニアが青葉を貼り付けたんじゃないの?
そう思ってしまうくらいだ。
近づくと、蚊みたいなちっちゃい虫がブンブン飛び回っている。
出てこなくてもいいのに、
あったかくなると、こういうのもどっかからわいてくんだな。
昨日は居酒屋の天井からゴキが落ちてきたし。
自然が躍動する春だ。

あぁ、地球は着実に太陽の周りをまわっているんだ。


いいじゃん、キレイじゃん。・・・キレイかな?
春めく日誌もイカすじゃん。


4月1日(木よう日) 日直・橋本
 ヨーグルトといえば、
先日、
友人Y美の家で飲んだ時のこと。
ビールで乾杯するやいなや、
Y美が、
「カスピ海ヨーグルト食べる?」
と。
「・・・・ぜんぜん食べたくない。
ふつー、ビール飲みながら、ヨーグルト、食べない。」
と、その時は、拒絶するも、
名前だけは聞き覚えのある『カスピ海ヨーグルト』に、
内心、興味津々。
1度は見てみたい食べてみたい・・・と思っていたのだ。
一体全体、
『カスピ海ヨーグルト』とは?
ヨーグルトはヨーグルトなの?
それとも、チガウの?
「菌を、
ネズミ講のごとく人から人へ手渡して広がった」って、ホント?
意味がわからないんですけど?
とにかく、
Y美が私に食べさせようとしている『カスピ海ヨーグルト』は、
どうやら、
彼女のお手製のようだ。
『明治おいしい牛乳』のパックを差し出し、
「この中、ヨーグルトだから、じゃ、あとで食べなね。」
と言った。
その、
牛乳の空きパックの中で、
いわゆる「誰かにもらった菌」を、
発酵させてるの?
なんか、キモイぞ。
自分が食べる前に、私に試させようとしているのか?
 Y美が酔いつぶれてしまったので、
ヨーグルトを見てみようと、
キッチンに行き、
『明治おいしい牛乳』のパックを探す。
レンジの横に有った。
アレ?なんで?
パックの上部3分の1くらいが切ってあるぞ。
手に取って、中をのぞく。
・・・いっぱい入っているのは、
「ヨーグルト」・・・というよりも「土」のように見える。
においを嗅いでみようと顔を近づけた瞬間、
まるで「土」のごとき「ヨーグルト」の中で、
何かが動いた。
ウゲーーーーッッ!
「菌」だ!「菌」!
慌てて、Y美を起こし、報告。
「カスピ海の菌が、泳いでますぜ!」
キョトンとするY美と共に、再びキッチンへ。
『明治おいしい牛乳』のパックを手に取り、
Y美が言った。
「あぁ、これ?
カブトムシの幼虫、飼ってるの。
カスピ海ヨーグルトは、
冷蔵庫の中。
食べる?」
と、冷蔵庫から、別の『明治おいしい牛乳』のパックを出すY美。
・・・・・・まぎらわしいぜ、まったく。
危うく、だまされるとこだったぜ。
「ヨーグルト発酵」と「幼虫飼育」を、同じ容器ですんなよ。
幼虫を育てるなよ、大人が。
大人は、買おうよ、カブトムシを。
気持ち悪くなっちゃって、
結局、
カスピ海ヨーグルトは、試さずじまい。
見てもいない。
遠い存在だった「カスピ海ヨーグルト」、
その「謎解明」が手の届く所にあったというのに・・・
惜しいことをした。


3月31日(水よう日) 日直・橋本
 ちぇ。
鬼界さんの風邪、もう快復かー。
ひと月くらい、もたせてほしかったなー、
風邪日誌。
もうちょっとの間、ラクできるかと思ったんだけどなー。
ところで。
おとといの日誌とか読むと、
風邪っぴきのくせして、
わりとイイ食生活だ。
お昼ごはんは、
「パン・オレンジジュース・卵・牛乳・はちみつ・ヨーグルト」か。
イイもん食ってんじゃん。
で、
オヤツが、
「はちみつかけヨーグルト」。
シャレてんじゃん。
ヨーグルトといえば、
長嶋さんが脳こうそくで倒れた数日後の、
担当医師の記者会見を思い出す。
「だいぶ快復なされ、
今日は、ヨーグルトを召し上がりました。」
ここまでは、いい。
「食欲旺盛なご様子なので、
もう1つヨーグルトを差し上げてみたら、
それもペロッと召し上がりました。」
・・・・って、
なんか他の食べ物くれてやれよ。
プリンじゃダメなのかい?
動物園のゴリラじゃないんだから。
知ってました?
ゴリラの1回の食事メニュー中、
ブルガリアヨーグルト(500g)1パックは必須らしいです。
スプーンで、
ペロッペロ食べるそうです。
はちみつをかけるのが特にお気に入りで、
朝・昼・晩、そしてオヤツに、
はちみつかけヨーグルトは欠かせないそうです。
大切に飼育されてるゴリラと同じ食生活・・・か。
やっぱ、
鬼界さん、シャレてるなー。


3月30日(火よう日) 日直・鬼界
おかげさまで、だいぶ快復しました。
ただ、おとといあたりから、腿の裏が痛い。

高熱が出てるとき、
関節やら筋肉が痛くなるでしょ?
あの感じなんです。

もしや、風邪第2波が襲ってくるのかと心配だった。
ところが、
おトイレに行って、
ずっと寝込んでいたから、プチ便秘でちょっとカタめになってるのを、
すっごくキバって出してみると、
腿の痛みが消えた。

へ?なんかわからんけど、よかっつ!

ところが、しばらくすると、またジワジワと腿の裏が痛くなってきた。
ヤな感じ・・・。
ところが、またトイレに行って、キバって出すと、痛みが消えた。

どういうことよ?
腿の裏に便がたまってるの?
風邪のせいで腸が下がっちゃった?
超不安・・・。


注:病気のときはオヤジギャグが許されます。


3月29日(月よう日) 日直・鬼界
とにかく寝ている。
延々、寝ている。

朝、とりあえず目を覚ましたときが朝ごはんの時間ってわけで、
パン・コーヒー・卵・牛乳・はちみつ・ヨーグルトなどを食べる。
食べ終わると、ベッドに横になる。
朝寝だ。
さわやかな午前の陽射しを浴びて、
寝汗をかきながら寝ている。

起きたときが、昼ごはんだ。
パン・オレンジジュース・卵・牛乳・はちみつ・ヨーグルトなどを食べる。
(朝とはビミョウに違う)
食べ終わると、一応、ベッドに入る。
さすがにこれだけ寝てりゃ、もう寝れないが、
起きてると風邪が悪化しそうなので、
無理矢理、横になる。
眠れないのにジッと横たわっているのはかなり苦痛だ。
と思う間もなく眠りに落ちている。

眠り病か、オレは?

そして、目が覚めたら、オヤツだ。
起きだすのが面倒なので、
トイレに行ったついでに、冷蔵庫を開け、
ベッドで、ヨーグルトにはちみつをかけて食べる。
あぁ、おいしい。
はちみつかけヨーグルトはいくら食べても飽きないなぁ。
と、食べ終わらないうちにウトウトする。

やっぱり眠り病だ・・・。

次に目覚めると、晩ごはん

って、この繰り返しなので、書きません。

でもね、じっさいさぁ、かんがえてみるとぉ、
からだがねむりをひつよーとしてんだよね、こんだけねれるってことは。
だからぁ、あれるぎーとか、かふんしょうじゃなくって、
ぜったい、ぜったい、かぜなんだな、ぼくは。


3月28日(日よう日) 日直・鬼界
くっそ、今日もいい天気だ。
なんで先週、こうならなかった?
あんな冷たい雨が降るから、風邪ひいちゃったんじゃねえか・・。

寝込んで、グチッぽい、鬼界です。

相変わらず、鼻づまりだが、
ふとしたはずみに開通することがある。
さすがに、全面開通ってわけにはいかず、
3車線道路で1車線だけ通行可って感じ。

「あぁ、鼻で息するって、なんて楽チン。これぞ人間だ」
と幸福するのもつかの間、
自分の鼻息がうるさくってしょうがない。

「スースー」「ヒーヒー」「サーサー」「シューシュー」「ンーンー」

文字であらわすのが難しい音だが、
あの、あれですよ、
川崎のラブホの一室で
今まさに、女子高生の胸のリボンをほどこうとするエロ英国紳士の鼻から発する音。
そう、
なんだか自分が興奮してるみたいで
なんかイヤ〜な感じがすんですよ、この鼻息音は。

うるさくって、なかなか寝付かれないし、
ウトウトすると、川崎のラブホの夢を見るし。(↑の例えは僕の夢なの・・・)

とか思ってると、また鼻完詰まり状態になって、
口で息してたら、
口の中が干からびて、
なんか口がクサ〜くなってくるし。

あーあ、早く治んないかな。


3月27日(土よう日) 日直・鬼界
風邪っぴきで寝込んでます。
鼻水ジュルジュルが止まったと思ったら、
鼻が完全に詰まってしまった。
満身の力をこめて吸っても、
全体力を動員して吐いても、
ビクともしない。
カンペキ詰まり状態。

不思議なもんで、鼻が詰まると、脳が活動しなくなる。
口を開けて息するから、知恵が口から漏れていくのかしら?
そういえば、小学校のとき、
ちくのう症のケンジはバカだったもんね。
鼻水ダラダラたらして大口をあけて息してて、
 (って、もしかして、今の僕と一緒なのでは?ま、しょうがないか・・・)
見るからバカそうだったけど、
本当にバカだったもんな。
なのに、妙によっついて来たなぁ。
「ヒドミくん、ヒドミくん、ジャリガニつりにいご」
(「ヒロミくん、ヒロミくん、ザリガニつりに行こ」と言っている)
あのケンジはまともな大人になれたのだろうか?
誰かと結婚して、誰かの父親になってるの?
あのケンジが?
・・・・・・・・。

重度の花粉症の人って、3月から5月まで、ずっーとこういう状態なんですか?
これはツライっすよ。
銀行とか経理の人はどうしてんですか?
今、僕は計算なんかできる状態ではありません。
ためしに、「5足す8」をやってみる。
暗算ですぐ「13」と答えが出た。が、
「5足す9足す7」になると、指の助けを借りないと答えが出ないです・・・。

あぁ、外はあんなにいい天気なのに、
僕は寝込んでいる・・・。


3月26日(金よう日) 日直・鬼界
とうとう風邪をひいた。
熱はたいしたことないのだが、
頭が痛いし、眼球の裏も痛い。
そして、なにより鼻水だ。
ジュルジュル、ジュルジュル、流れっぱなし。
かんでも拭いてもわいてきて、しょっぱい液体が口の中へと流れ込む。
おかげで、家にいながら、海にいる気分を味わえる。

ガマンできなくて、医者に行った。
かかりつけのおじさん先生だ。
診療室に入って、驚いた。
美しい女医が座っているではないか!!
若い頃の岡田可愛に似ている。僕好みだ。

(岡田可愛なんて言ったって、わかんないよねぇ。
梅宮アンナと梅宮辰夫を掛け合わせたくらいの顔です。
っていうと、気持ち悪くて美形とは思えないか・・・。
早い話が、アンナをもっと日本人よりにした顔です)

「あ、あの、いつもの先生は・・・?」
と尋ねると、
「あれは父です。今年から水・木・金は私が診療してるんです」

あのおじさんにこんな美人の娘がいたなんて!
医者に来るなら、水・木・金
僕はしっかり記憶した。
てゆうか、おじさん、早く引退しちゃえよ、って感じ。

「で、どうなさいました?」
落ち着いていながら柔らかみのある甘い声。ますますポイントアップ!
「風邪をひきました」
と僕が言ったとたん、
美人女医はポケットからマスクを取り出し、慌てて装着した。

露骨すぎない?
やや、ポイントダウン・・・。

ノドの奥を見るや、
「あら、これは大変。おノドが真っ赤っか。これじゃ、おノドが痛いでしょ」
と、僕を見つめて言ってくる。
真剣な眼差しなのに、泣いているような濡れた目だ。
ちょっと、たまりませんぜ・・・。ポイントアップっ!

そして、左手をそっと僕の肩にのせ
「お薬塗ってもいいですか」と甘い声でささやいた。

薬塗るのに、なんで声をひそめてささやくの?
肩に置かれた手はなに?
なんかわからんけど、『セクシー女医・夜の診察室』みたいになってきたぞ。
いっきにポイント倍増!!

先っぽに脱脂綿がまきつけられた、さいばしみたいな棒を
薬ビンにジャブジャブ浸した、美人女医は
「さあ、塗りますよぉ」と
棒を僕のノドに突っ込んだ。
ノドチンコの裏側というか、鼻とノドの間というか、
ものすごく痛い。めちゃくちゃ痛い。とにかく痛い。
反射的に僕の体がのけぞると、
美人女医は肩に置いた手に力をこめ、
「逃げない、逃げない。そう、痛いのね。痛いのね。でも、これが効くのよ。痛いのね」
となんだか嬉しそうに僕のノドに薬を塗りたくっている。
ウエッとえづいたら、
「ガマンして、ガマンして。もう少しですから、痛いの。痛いね。痛いね」
と、口ではかわいそがっているが、
目は明らかに楽しそうに笑っている。

ちょっとS入ってんだ、この女医・・・。
ポイントを帳消しにして、僕は記憶しなおした。
医者に来るなら、月・火・土


3月25日(木よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき)

  輪の中心、
それは、
机の上の3枚の写真。
いずれも、
海をバックにした、波打ち際での、
ビキニ姿の女の人のピンナップ写真。
1枚を手に取って見た。
20歳前後か。
顔のカワイさに、まずビックリ。
超カワイイ。
ホント、ビックリするくらいカワイイ。
アグネス・ラム(チャンではない。)そっくり。
大きな目、通った鼻筋、形の良い唇。
ケチのつけどころのない顔とは、こういう顔か。
小首をかしげ、
肩より少し短い黒髪を、前髪もろとも風になびかせ、
カメラ目線でニッコリ微笑む、
その小麦色のまぶしい笑顔。
あぁ、まぶしい。
そして、
ビキニのブラから、こぼれ落ちそうな胸。
当時18歳の私が、
初めて見る超ボイン。
初・巨乳。
あぁ、まぶしい!
このマブさは、ただのシロウトではないぞ、
モデルだ、モデル。
「で、このモデルが、どうしたって?」
と、私は、誰にともなく尋ねた。
すると、
「これ、ムツミちゃんなんだって!」
と、‘地味ダサ’グループのリーダー格である風紀委員の福島さんが、
妙にデカイ声で答えてくれた。
本当なら、
福島さんが大声を出した、ということにビックリするところだが、
もう、それどころではない。
この、
モデル然とした、
この、写真の中のビーナスが、ムツミちゃん・・・!?
皆に写真を見られ、
恥ずかしげにうつむいて座っている、この、中学生みたいなムツミちゃんが、
この、写真の中のビーナス・・・!?
・・・いやはや・・・。
鬼太郎みたいな前髪で、顔、半分しか見えてなかったからな・・。
ダボダボのブラウス着てて、ボインにも気づかなかった・・。
ダサい丈のスカートの中には、あんなにステキな脚が隠れていたのね・・。
・・・いやはや、判らないもんです。
いつもは大人しい福島さんが、
ベラベラベラベラ説明してくれたことによると、
ムツミちゃんは、
28歳のカメラマンとつき合っていて、
その彼と海に遊びに行った折に撮られた写真とのこと。
彼は、よく、
ムツミちゃんをモデルに見立てて、こういう写真を撮るとのこと。
デキの良い写真は、たまに仕事で使うらしい。
・・・ムツミちゃんが、モデルだったとは。
さらに、
10歳も上の、
しかも、カメラマンとゆー‘女に目の肥えた’男とつき合っていたとは。
中学生に見えたムツミちゃんが、
私の中で、
突如、
別世界に生きる大人の女に変貌。
これまた、
まさに、
「カワイイ顔して、あの子、わりとやるもんだねぇと〜」だ。
大人しそうに見える子ほど、ススんでるのね、実際は。
でもって、
ムツミちゃん、
「ダサい格好でカワイイ容姿を隠す」って、賢いかも。
自衛手段かも。
彼氏の知恵か?
それほど可愛いムツミちゃんは、
卒業後、即、結婚。
幸せな家庭の主婦となったとさ。


3月24日(水よう日) 日直・橋本
 「同級生がタレント」かぁ。
小・中の時には居ませんでしたが、
高校では、居ました。
別のクラスに。
「タレント」ではなく、「モデル」ですが。
髪型をオールバックのヒッツメにしていた、
その子は、確かに、目立ちました。
さすがモデル。
お似合い。
この髪型が似合うのは、よほどの美形です。
ある朝、
クラスの吉田聖子という子が、
「マネしちゃった♪」と言いながら、
オールバックのヒッツメで登校してきた時は、
どこのロバが迷い込んできたかと思うほど、ブサイクでした。
ところで、
そのモデルの子は、
やはり、友だちは少ないようでした。
イジメられはしないものの、嫌われてはいたようです。
 高3の時、
私と同じクラスに、
ムツミちゃんという子が居ました。
肩より短いザンバラ髪は、
ゴキブリのように真っ黒け。
(私たちは、ちょっと茶色。)
ガキみたいに2つに結わえ、
ゲゲゲの鬼太郎のような前髪。
制服のスカートは、ヒザ丈。
(私たちは、くるぶし近く。)
セーラーのブラウスは、ダボダボ。
(私たちは、ウエストと丈をつめ、フィッティ。)
鬼太郎の前髪から見え隠れする顔半分は、色黒。
同じクラスながら、
ほとんど話すことのない、このムツミちゃんを、
私は、
「地味で、おとなしくて、ダサい子。中学生みたい。」
と思っていました。
だからといって、
ムツミちゃんに、友だちが居ないというわけでは決してなく、
ムツミちゃんと同じようなタイプが集まった‘地味ダサ’グループの一員として、
それはそれで楽しげに過ごしているようでした。
 ある日、
その‘地味ダサ’グループが集う、教室の前の方あたりで、
「わぁ〜!」
という、
おとなしい彼女達らしからぬハシャいだ歓声が。
「なんだ、なんだ?」
と、私たち、教室後方グループも、
思わず近寄り、
その輪の中に。
そこには、
          (つづく)


3月23日(火よう日) 日直・鬼界
 少女A その4
イジメがピークに達したのは、
去年の文化祭だった。

「私が入ってる英語クラブは毎年、英語劇をやるんです。
去年は『シンデレラ』でした」

もちろん、亜里沙がシンデレラ?

「いいえ、魔法使いのおばあさんです」

ふーん、そういうもんか。

英語劇だから、当然、セリフは英語。
覚えるのが大変だ。
が、運悪く、文化祭実行委員に選ばれてしまったそうだ。

英語劇の練習の合い間を縫って、実行委員の会議に出席し、
会議が一段落したら、練習に戻り、
練習が休憩になったら実行委員室に顔をだす、と
休む間もなく行ったり来たり走り回っていた。
それぞれのクラブがあるから、
実行委員たちは、みんなそういう風にして掛け持ちしているのだそうだ。
それなのに、またまた、
『亜里沙はクラブばっかやってて、実行委員をサボってる』
というウソ噂が流された。
そして、今回はそれだけじゃなかった。

「下校途中に3年の男子が
『実行委員、サボんじゃねえよ』と怒鳴りながら、私のカバンを蹴っていったり、
中庭にいたら、突然、3階の窓から
『カッコつけてんじゃねえよ』と叫ばれたりしました。
あの先輩がやらせてたんです」

自分の手は汚さず、より悪質なイジメを実行する。
先輩、すっげぇよ・・・。
てゆうか、そんなことする手下がいることにビックリだ。

「あんまり、イヤがらせが続くので、私、その先輩に直接言いに行ったんです。
そしたら、『私は何も知らない』って、逆ギレされちゃって。
でも、次の日から、イヤがらせはなくなりました」

これで終われば、メデタシメデタシなのだが、
そうはいかない。

「文化祭の前々日でした。
体育館のステージで、本番どおりの衣裳とセットと照明でやるリハのとき、
クツをはいたら、足の裏に何かが突き刺さったんです。
痛っと思って、慌てて脱ぐと、
画びょうが入ってました。
あんなところに画びょうが偶然に入るはずありません。
誰かが入れたんです。
あの先輩だと思います」

きたよ、きたよ、悪魔の本領ハッキだぁーっ!!。
で、どうなった?
役を降ろされた?
それとも、車椅子に乗って登場した?(押すのは顧問の先生だ)
あるいは、杖をついて、「わたしゃ、ビッコの魔法使いよ。ビッコ、ビッコ」とか言った?

「魔法使いのおばあさんは、ほとんど歩かない役だったので、
なんとかやり終えました」

あ、そ・・・ちょっと肩すかし・・・。
ま、13歳だもんね、しょうがねえか。
あったまくるね、その先輩。

「はい。ほんと腹たちました。
でも、明日、卒業していくんです」

せいせいするね。仕返しとかしなかったんだ?

「明日、先輩のクツに画びょうを入れます」

・・・・・・・・え?

亜里沙は澄んだ瞳をして無邪気に言ってのけた。


カワイイ顔して、あの子、わりとやるもんだねぇと〜、か・・・。


3月22日(月よう日) 日直・鬼界
 少女A その3
亜里沙が小5になってすぐ、あるオーディションに行くと
同じ小学校の6年生が来ていた。

「テレビのお仕事してる人がうちの学校にいるって、
前から聞いてたんですけど、
違う事務所だったんで、どの人か知らなかったんです」

このあたりもスゴイと思う。
同じ小学校に芸能活動してる子がいれば
すぐに知り合いになりそうな気がするのに、
‘他の事務所だから接点がない’と当然のように思うのは
無邪気というか、業界ズレしてるというか・・・。

オーディション会場では仲良くお話していた。
けれど、結果が発表され、
その先輩がオーディションに落ちてからというもの、
イジメが始まった。

その先輩は落ちて、亜里沙が受かったの?

「いえ、私も落ちました」

うーむ、そう単純なものじゃないわけね・・・・でも、なんとなくわかる気がする。

先輩のイジメは陰湿だった。

「直接、先輩に何か言われたり、何かされたりしたことは1回もありませんでした。
噂が流れてくるんです。
『テレビに出てると思って、亜里沙はイバってる』『亜里沙は気どってる』
『亜里沙はいっつも掃除をさぼってる』
『亜里沙が3組の吉田君の悪口を言ってた』
『亜里沙は無駄遣いが多い』
『亜里沙は朝、歯磨きしない』とかって、
ウソが流れてくるんです。
5年生だった1年間、ずっーと流れてました」

その先輩がスゴイ!
1年間もウソの噂を流し続けるなんて!
そのねばり!その執着心!
よくもそれだけのウソを思いついたもんだ!!

先輩が卒業し、亜里沙に平和が戻った。
けれど、亜里沙が中学に入学すると、
なんとその先輩が同じ中学にいたのだ!!

って、公立だから、当たり前なんですけどね・・・。

さすがの先輩もウソを考え出すのに疲れたのか、
イジメは違う形で現われた、
最悪の形で・・・ (つづく)


3月21日(日よう日) 日直・鬼界
 少女A その2
「初めてのレギュラーは5才のとき、『許して、母さん』ってオビだったんですけど、
知ってます?」

ごめんなさい、ぜーんぜん知りません。
聞いたこともありませーん。
それよりも、‘オビ’なんて業界用語を当たり前のように使うのがスゴイでーす。
(昼メロのような毎日やってるのを帯ドラマといいます。)
誰が出てたの?と尋ねると

「えーと、えーと・・・
たしか、なんとかヨーコっていう有名な女優さんです。
お母さんがすっごく感激してて、覚えときなさいって言われたんですけど・・・。」

誰だろ?
山本陽子?島田楊子?秋野暢子?
(どうでもいいけど、なんでこんな変なヨウの字つかう人が多いの?)
とにかく、オビは知ってても、オバサン有名女優の名前は知らない。
さすが亜里沙。13歳。無邪気だぜ。

テレビなんかに出てると、学校で人気者なんじゃないの?

「人気者ってことはないですけど、
上級生と下級生は、わぁーわぁー言ってくれます。
でも、同級生は・・・」

けっこうイジメられてきたらしい。

まず、小学校の低学年の頃。
同級生たちも最初は
「キムタクってどんな人?」とか「ソリマチって実物もカッコいいの?」とか
いろいろ聞いてきたのだそうだ。
知ってることを教えてあげると、「へぇー」「へぇー」と喜んで
仲よく会話がはずむのに、
2,3日すると、「自慢してる」と陰口を言われるのだ。
で、またしばらくすると、質問する同級生が現われ、2,3日すると陰口。
この繰り返しだそうだ。
“興味>ねたみ”状態なんですね、まだ幼いから。
が、
高学年になると、
「カンペキしかと」だそうだ。
“興味<ねたみ”になるんですね。ボチボチ、女になってくるってことですかね。

しかし、
こんなイジメはまだ序の口だった。
亜里沙が小5のとき、悪魔が現われる・・・ (つづく)


3月20日(土よう日) 日直・鬼界
 少女A その1
撮影の待ち時間に13歳の女の子と狭い控え室で2人っきりになった。
彼女の名は、亜里沙。

ひえ〜ぇ
13歳の子と何を話せってぇの?
しかも、亜里沙なんて名前だぜ。
ジェネレーションギャップを感じまくりだ・・。

黙ってるわけにもいかないので、当り障りのないところから話し始めた。

「何歳くらいから、こういう仕事をしてるの?」

「0歳からです」

は?
13歳のギャグ?

と思いきや、本当に0歳から仕事をしていたそうだ。

「私の母も女優志望で、高校生のときにそういう学校に入ったんです。
そして、初めて行ったオーディションで落っこっちゃって
夢をあきらめたんです。
結婚して私が生まれて、たまたま撮ってた写真が写真選考に通って、
私はこういう仕事を始めたらしいです。
ぜんぜん記憶にないんですけど。」

そりゃまあ、0歳の記憶はないだろう。
さすが13歳。
とても無邪気な発言だ。
が、彼女はちっとも意識してない母親の執念が感じられる。

13歳の少女の母親が高校生のときだから、
今からざっと二十数年前だ。
その頃はまだ、ネコもシャクシもタレント志望の時代ではなかった。
‘女優志望’で‘そういう学校に入った’んだから、
彼女の母親は自分の容姿にかなり自信を持っていたに違いない。
幼い頃から相当チヤホヤされたと思われる。
そうでもなければ、たった1回のオーディションに落ちたぐらいで
女優をあきらめるはずがない。
よほどショックだったのだろう。
きっと、自分よりカワイクない子に負けたのだろう。
オーディションとは、えてしてそういうものだが、
彼女のプライドが許さなかった。
それで、きっぱりと足を洗ったのだ。
フツーの女子高生に戻れば、男がジャンジャン寄ってきて、
すごくチヤホヤされるのだから、
そのほうがとても気持ちいい。
けれども、彼女の中で芸能界入りの夢は消えてなかったのだ。
娘が生まれたとき、
自分の果たせなかった夢を娘に託した。
てゆうか、娘が売れれば、
自分も華やかな世界でチヤホヤされるしね。
だいたい、‘たまたま撮ってた写真’は選考委員の目に触れませんよ。
向こうから見に来てくれるわけじゃないし。
写真選考にわざわざ応募したんです、この母親は。
ってことは、きっと、‘たまたま撮った写真’じゃないですね。
さんざん撮りまくって、いちばんカワイイ写真を送ってるはずです。

そんな母親の邪悪な心(って、勝手に決めつけてますが・・・)を
みじんも感じさせない澄んだ瞳で
亜里沙は話しつづけた・・・  (つづく)


3月19日(金よう日) 日直・橋本
 これまた、
電車の中での話。
 羽田空港駅発・都営浅草線直通の京急に、
途中駅から乗った。
扉の横の、
端っこの席が空いていたので、座った。
真向かいの席には、
高校1年くらいと、中学1年くらいの、2人の女の子。
似ている。
どうやら姉妹のようだ。
それぞれの足元には、
おそろいの、大きなビニール製のバッグ。
お姉ちゃんは、
足元の、そのバッグを足で挟むようにして、
こっくりこっくり居眠りをしている。
妹は、
ヒマを持て余し、
ひじを置いた柵棒に、手に持っている切符をなぞらしたりしている。
春休みなので、
東京に住むお祖母ちゃんちにでも遊びに来たのかな?
朝早くから飛行機に乗って、疲れちゃったのかな。
 3駅間ほど読書。
停車したので、
「何駅かな?」
本から顔をあげた私。
と、
扉をはさんで私の横に座っていた男性が立ち上がり、
こちら側の開いた扉ではなく、
反対側の開いてない扉に向かって、
素早く歩き出した。
え?と思う間も無く、
お姉ちゃんと同じように、いつの間にか眠りこけていた、
妹の足元に落ちていた何かを拾う男性。
男性は、
その拾い物を、
眠っている妹の、ヒザの上の手のひらに乗せるように、
ポンと置いた。
そして、
また、素早く歩き戻り、
私の横の扉、すなわち彼が座っていた席の横の扉から、
男性は降りていった。
妹の手のひらに乗せられたものは、切符だった。
居眠りして、
手に持っていた切符を、落としてしまっていたのだろう。
男性が、
どの時点で、
「妹が切符を落とした」ことに気づいたのかは知る由もないが、
とにかく、
男性の、その一連の動作は、
さり気ない優しさに満ちたものだった。
そして、
男性が、
これまた、カッコイイときてるから、ヤんなっちゃう。
渋い紺色のスーツが映える長身。
静かで、端正で、澄んだ目。
マイっちゃうね。
惚れっちゃうね。
あーゆー仕草に弱いね、女は。
姉妹は、
そんなことがあったことなどツユ知らず、
楽しい夢でも見ていたに違いない。
そういうパターンって、ある意味、幸せだ。
でも、
お姉さんは、あえて、キミたち姉妹に言いたい。
素敵な男性を見られるチャンスを、
残念ながら、逃したね。
若いうちにこそ、
男性の本当の優しさに触れるべきだと思うね。


3月18日(木よう日) 日直・橋本
 昨日の日誌について、
こんなメールを頂きました。

『電車の中で本を読んでいて、
思わず笑っちゃうことは、よくあります。
さすがに爆笑までは、私もいったことありませんが。
含み笑いというか「ムフフフ・・・」という感じで。
冬場や、今の季節は特に、
マスクをしていて大助かりです。
ニヤけた口元を見られずに済みます。』

Sさん、
あなたは、なんて賢いんだ!
そうか!
マスクをしてれば、思いっきりニヤけられますね。
私も、Sさん同様、
電車の中で「ムフフ」となることは、
しばしば有ります。
 『「かあさんが夜なべをして手袋編んでくれた」
 という歌を、
 長いこと野球の歌だと思っていた。
 「せっせと編んだだよ」
 というところを、
 「節制と安打だよ」
 少年時代に、こう歌っていた。』
という文章が、
その時、妙にツボにハマり、
「ムフフ」がやまなくなり、
ハンカチをくわえて、笑いの虫をヤリ過ごしたことがあります。
マスクが有れば、
まだラクだったのね。
‘思い出し笑い’も多い私みたいな人は、
マスクを1枚バッグに入れておくと便利なのね。


3月17日(水よう日) 日直・橋本
 小説といえば、
先日、電車の中で、
こんな人を見た。
30代半ばくらいに見える、その女の人は、
私の真向かいの席に座り、
文庫本を読んでいた。
真向かいの席の人が、
寝ていたり、本を読んでいたり、携帯でメールを打っていたりすると、
目のやり場に困らなくて、イイ。
向こうは、
こちらが見ていることには気づかず、
熱中している。
心おきなく、視線を向けていられる。
私は、
その女の人を、見ていた。
ヒザの上に乗せた大きめの荷物を、
ちょうどいい具合の本置き場とし、
彼女は一心に本を読んでいる。
突然、
アハッ
と、彼女が笑った。
ちょっとビックリするぐらいの大きな声で。
そして、それを皮切りに、
彼女の爆笑が始まった。
人目を気にして必死にこらえようとしている、
イヒヒヒヒ
という笑いが、よけい人目を誘う。
ポケットからハンカチを出し、
口を押さえ、
顔を伏せながら、
なおも本を読み、「クククッ」と笑い続けている。
思わず、もらい泣きならぬ‘もらい笑い’。つられ笑い。
よっぽど可笑しいんだろうが、
本を読みながら爆笑する人も珍しい。
『サザエさん』のカツオですら、
マンガを読みながらの笑いは、
せいぜい、
「アハハ」と、一発だけだ。
いいなぁ。
楽しそうだなぁ。
一体、何の本を読んでいるのか、俄然、興味が。
いざとなったら、
「何を読んでらっしゃるんですか?」
と尋ねてみようとまで決心した。
直後、
運のいいことに、タイトルを知ることが出来た。
下車駅がきたらしく、
彼女がパタンと閉じた、
その本の表紙には、
『ヴィヨンの妻  太宰 治』
と、あった。
太宰治だったとは・・・。
そんな笑える話、あったっけ?
爆笑してたよ?あの人。
私も、「本読んで爆笑」してみたいなぁ。
こりゃ、読んでみなきゃ!だ。


3月16日(火よう日) 日直・鬼界
昨日、行きつけの飲み屋に行くと、

と、書くと、いっぱしの酒飲みみたいだぜい。
でも、ご存知のように、僕は飲めません・・・。
正確に書くと、
‘行きつけの、夜でも定食を食べられる飲み屋に行くと’
ですね。

夕方のニュースをやっていた。
記者会見場でレポーターが声をひそめて、
「今、予定の6時30分を30秒過ぎましたが、
まだ、現われません」
と、さも大事件のようにシリアスな口調でしゃべっている。
なんだろう?と思って見ていると、
「すでに1分45秒がたちましたが、2人の姿は見えません!」
と、ますます深刻に告げている

そうです。
高橋尚子の記者会見を生中継していたのです。

「どうしたことでしょう!
6時33分10秒になったのに記者会見は始まりません!!」

秒単位で言うなよ!
そんな必要あるのか?

すると、記者会見場内にアナウンスが流れた。
「ただ今、小出監督から連絡が入りました。
渋滞に巻き込まれているため、到着が少々遅れるとのことです」
ここでCM。
そして、CMがあけると、
壇上に小出監督と高橋尚子が座っていた。

もう、来てたんじゃねえかよ!
なんなんだ、あのアナウンスは。
CM入れるためのキッカケか?

そして、6時58分まで延々と会見を生中継していた。

家に帰り、
10時からのニュースを見ると、
NHKもテレビ朝日も
‘高橋尚子 落選!’がトップニュースだった。

そんなに大事か、Qちゃんが?
ロシア大統領選挙でプーチン圧勝も、
スペイン総選挙で野党勝利も、
京都で行方不明の中2女子が公開捜査になったことも、
小泉首相が靖国参拝を続けるとバカな決意を語ったことも、
後回し。

なんかヘンじゃないっすか?

ずっーとニュースをハシゴしたので、
「飲んだくれの親戚のおじさんと同席させられてちょっと困ってる」みたいに見える
高橋尚子のコメントも
「事実、飲んだくれてる」小出監督のコメントも
何度も何度も聞きました。
増田明美が解説してくれたので、
高橋を落とした選考の裏事情もよーくわかりました。
高橋落選関連のニュースはイヤというほど見せられました。

でも、選ばれたのは結局、誰だっけ?
これだけニュースを見たのに、それがわかりません。


3月14日(日よう日) 日直・橋本
 4,5日前、
デパ地下に行ってみた。
バレンタインの時、
掲示板にて
「デパ地下で、チョコ、試食しまくり♪」
という、オイシイ情報を教えて頂き、
「よし。
ホワイトデーの時こそは、試食の行列に並ぼう。」
と、心ひそかに決めていたのだ。
朝、10時過ぎ。
勢い込んで、地下へ。
・・・ガッラ〜ン。
行列どころか、
客なんざ、一人も居ねぇ。
一体、どうしたんだ。
時間が早すぎたか?
試食しづらいぞ。
でも、ま、いいや、
実際、1つ買うつもりなんだから、
いろいろ試食させてもらって選ぼうっと・・・。
各店を順に廻り、物色開始。
確かに、
各店、ホワイトデー向けの商品は、なくはない。
が、しかし。
どこの店にも、アレがない。
試食入れの、
皿が、トレーが、BOXが。
時間が早すぎて、まだ用意してないのかな?
客が来始めたら、出すのかな?
・・・ちぇ・・・。
「試食しまくり」は夢に終わった。
いや、
待てよ。
「試食用のトレーは、
客が混んできたら出す」
・・・ということは、
客の少ない時間帯は、
そのトレーは、どこかに隠してあるに違いない。
きっと、
言えば出てくるのだ、そのトレー。
せめて、
買うことに決めた商品の味くらいは試したいな。
買ったんだから、出してくれるんじゃなーい?
だって、買ったんだもーん。
私が選んだ品物を包み始めた店員のお姉さんに、
「それの試食はさせて頂けますの?」
と聞いてみた。
お姉さんは、
「・・・試食ぅ?これのですかぁ?
あ〜、ちょっと、そういうことはやってないんで。」
・・・どうなってんだよ。
大恥じゃんけ。
バレンタインデーと、エラく差ぁつけられたもんだぜ。
マシュマロデー、クッキーデーを押さえ、
てっきり市民権を得た観のホワイトデーも、
バレンタインデーと比べりゃ、
やっぱ、まだまだだったのね・・・。


3月13日(土よう日) 日直・橋本
 『水鳥は楽チンそーな顔をして泳いでいるが、
人に見えない水面下では、必死に水かきをかいているんだぞ』
これと同義で
『優雅に躍るバレリーナの足は、実は、傷だらけなんだぞ』
もある。
それを聞いた友人は、
「私の足も、深づめと水虫で傷だらけなんだぞ」
と対抗していたっけ。
ま、それは、いいだ。
が、
『夜逃げ一家の張り紙は
メモるのが面倒なので、張り紙をはがして持って帰ってきちゃいました。』
は、どうだ。
折々に事務所に行くと、
こういう“鬼界さんがヒッペガシてきちゃった張り紙”を、
チョクチョク目にする。
いいのか?
・・・ま、確かに、
「夜逃げ一家の張り紙」は可笑しいから、ヨシとしよう。
でも、
   『自転車を返してください
       大変困っています。戻して下されば、私は許します。』
とか
   『ここでの小便・大便、お断り
       20メートル先に公衆トイレが有ります。』
とかは、どうよ。
可笑しいか?
・・・ちょっと可笑しいか・・・。
じゃ、
これは?
   『チロを探しています。(写真つき)
        2才の雑種。元旦の夜から居なくなりました。』
電信柱に張ってあったらしい。
可笑しいか?
日誌の、なんの、どんなネタになると?
なんでもかんでもハガしてきちゃって。
で、
ハガシはしたものの、
自分でも「イマイチだったな〜」と思ったから、
事務所の棚に、おっぽらかされてんでしょ?この張り紙ら。
これハガされちゃって、
一体、チロはどうなるの?
「あいてる時間で、僕、チロを探そうかと。
見つけたら、日誌、10日ぶんは書けるもんね。」
あ・・・ハガシてきたの、そのため・・・?
張り紙だけではない。
本来ならば、
スケジュールや連絡事項等を書き込むべきホワイトボードには、
鬼界さんの日誌のネタの覚え書きも。
「根こそぎ」
「近隣住民に告ぐ」
「笑うと歯ぐき丸見えの人は、歯が小さい?歯ぐきが長い?」           

・・・なんか、鬼界さん、
今に、チガウ商売、始めそうだよね。


3月12日(金よう日) 日直・鬼界
そうなのだ!!
僕はエライのだっ!!

って、いきなり威張ってますが、
おとといの橋本の日誌のことです。

あの中華屋のオッサンを見るためには
倍くらい遠回りをして駅まで行かねばなりません。
2月19日に書いたサッカーキチガイの家へは
駅と正反対の方角に歩かねばなりません。
3月8日に書いた夜逃げ一家の張り紙は
メモるのが面倒なので、張り紙をはがして持って帰ってきちゃいました。

なんで、こんなことしてんだろ・・・?

そう思う事もしばしばです。

電車に乗ると、以前は本を読んだりスポーツ新聞を読んだりしてましたが、
今は、わざわざメガネをかけ
車内のはしからはしまで観察しまくりです。
獲物がなければ、車両を次から次へと移動します。

バカみたいなことを毎日毎日飽きもせずに書いてますが、
その裏には
血の汗流せ、涙をふくな、みたいな苦労があるってこと?

高3のときの担任がよく言ってました。
「水鳥は楽チンそーな顔をして泳いでいるが、
人に見えない水面下では必死に水かきをかいているんだぞ」

そうだよね、そういうもんだよね。

などと思ったら負けですぜ。(勝ち負けの問題か?)
だって、
水鳥って、必死に水かきをかいてないんだよねぇ。
僕は実際に不忍池まで行って確認しました。
やる気なさそうに、チョイチョイと水かきを動かすだけ。
必死に水かきをかいている水鳥なんて一羽もいません。
格言を言いたがる昔の人のこじつけなんですね、あの言葉は。

ですから、なにが言いたかったかと言いますと、
あれ?なんだっけ?

ま、いいか、こんな日誌があっても。
僕はエライんだしね。エヘン。


3月11日(木よう日) 日直・橋本
 ご近所の山崎さんちのセガレが嫁をもらった。
一人っ子の、このセガレは、
38歳の、この年になるまで両親と同居だったが、
このたび、
結婚を機に、別居。
新婚夫婦の新居は、
実家(山崎さんち)の、ハス向かいに位置するコーポの一室。
グッド・タイミングで部屋が空いたのだ。
ハス向かいといえども、
別居は別居。
嫁と姑との衝突も、
同居に比べたら、うんと少ないに違いない。
その証拠に、
姑である山崎さんちの奥さんは、
セガレ夫婦を、頻繁に夕食に招待したりして、
とっても仲良さげ。
自称・料理上手の山崎さんちの奥さんは、
「黒豆が美味しく煮えた」だとか、
「つくだ煮をこしらえた」だとか、
よく、ご近所に配ったりする人だ。
料理の腕を振るうには、
ダンナと2人だけの食卓では物足りないのであろう。
夜、家に居ると、
「ごちそうさまー。じゃ、おやすみなさーい。」
と、
セガレ夫婦が、実家である山崎さんちからおいとまする声を、
よく耳にする。
 2,3日前の夜も、
「ごちそうさまー。おやすみなさーい。」
の声。
セガレ夫婦は、ハス向かいの自宅へ戻ったもよう。
しばらく経って、
宅配ピザのバイクの停まる音。
「お待たせしましたぁ、ドミノ・ピザでーす」
と、ピザ屋がピザを運んできたのは、
なんと、セガレ夫婦の部屋。
私は、外に出て聞き耳を立てた。
サイド・メニューのチキンなんたらまで頼んでいる。
ピザを注文したのは、
実家にもバレバレだろう。
いいのかしら・・・?
「もう、お腹いっぱい。ごちそうさまー」
とか言って、出てきたんだろうに。
もう、ガマンの限界だったのかしら?
うちも、
山崎さんちの奥さんが持ってくる黒豆やつくだ煮は、捨てている。
しょっぱくて食えたもんじゃねぇ。
それにしても、勝負に出たよね、嫁も。
堂々とピザなんか取っちゃって。
宣戦布告か?
どうなるんだろう、今後。


3月10日(水よう日) 日直・橋本
 鬼界さんは、エライ。
ここ3日間の日誌を読んで、痛感する。
こーんなチッサイ、しょーもないことを、
見事に、
日誌のネタにまで昇華させているのには、
脱帽だ。
6日の日誌なぞは、まさに。
「朝8時・ランチ時・午後の休憩時」と、
あらゆる時間帯における、
近所の中華屋の主人のスケッチ。
この店は、
鬼界さんの行きつけの店に違いない。
で、
‘オヤジの異常なテレビ好き’に気づき、
「日誌に書〜こうっと。」
と、なったのだろう。
ほんの些細な、
極ありふれた日常の場面での、ネタ収集。
エモノを探すケモノのごとく、
その、鋭く張り巡らしたアンテナは、
たとえ、中華丼を食ってる時でさえも、
休ませることはない。
「で、その店の中華丼は、美味いんですか?」
と、鬼界さんに聞いてみた。
スンと鼻で息を吸い、
そのまま3秒ほど息を止めた後(なんの意味があるのか?)
鬼界さんは、答えた。
「わからない。
僕、その店で食ったことないから。」
・・・あんた、入ったことねーのね、その店に。
「ドアは開けっ放しだから、外から丸見え。」
と日誌に書いてあるが、
ひっくり返せば、
「外からしか見たことないの、僕」という意味だったのね。
てっきり、
「カウンターでランチを食いながらのオヤジ観察」
かと思ったのに。
その店の前を通るたび、
足を止めて、観察してたのね。
「いや、
通るたびっていうか、
その店は、どこに行くにも通り道ではないので、
わざわざ見にかよわないと。」
なるほどねぇ。
よーし。
私も、
政治・経済の話ばかりもしてられないぞ。
ご近所観察に励もう。


3月8日(月よう日) 日直・鬼界
路地の突き当たりに3階建ての民家が並んで立っていた。
築7,8年か。
そんなにボロ家じゃないが、新築ピカピカってわけでもない。
明らかに、親の家を取り壊し、
敷地に兄弟が各々の家を建てたのだ。

その左側の家に張り紙がしてあった。


◎集金・取立ての方へ◎
毎日、御苦労様です。
臼井秀夫・明子・秀一・裕二の4名は
平成16年2月25日午後10時に当地を出てゆき、
現在、その行き先・連絡先は不明になっております。
当方は、臼井秀夫家とは別会計になっておりますので、
法律上、その支払い、及び、対応義務は一切ありません。
本人との直接交渉をお願いいたします。
当方に対し、目に余る行為がたび重なる場合は法的処置に訴えます。

平成16年2月27日     臼井本家



夜逃げしちゃったんだ・・・
夜逃げするほど、なんで借金するかねぇ・・・。

ガラスが割られたり、
壁に「金返せ、ドロボー」と落書きされたり、
糞尿がぶちまけられたり・・・ということを、よく聞くが、
外見上、家は普通だった。
キッチンの窓からのぞくと、
冷蔵庫もテーブルもなくガランとしていた。
ガスレンジには鍋が置き去りにされ、
その横に皿が3枚出してあった。
そして、
玄関わきには、補助輪つきのマウンテンバイクが放置されていた・・・。


この張り紙ですっごく気になることがあります。
1.「目に余る行為」って、なんだろう?
  なにされちゃうんだろう?ドキドキ・・・。
2.「2月25日午後10時に当地を出てゆき」って、
  時刻が正確すぎない?
  弟が夜逃げするのを、ジッと見てたわけですね。


3月7日(日よう日) 日直・鬼界
ドラッグストアに行った。
こまごま買い物をして、1936円だったので2000円払った。
なんの気もなく、おつりを見ると、
500円玉が入っていた。

 ??なんで、500円玉が入ってんの??
    ↓
 店員が50円玉と500円玉を間違えた?
    ↓
 もしや、ラッキー?
    ↓
 店員に言ったほうがいい?
    ↓
 まさか!そんなことするほどバカじゃない!!
    ↓
 一体、いくら得したんだ?
    ↓
 いやいや、そんなことは後回しだ。
    ↓
 あまり、おつりを見詰めていると、店員が怪しむぞ
    ↓
 知らんぷりして、なにげになにげに立ち去るべきだ
    ↓
 よし、右足クン、一歩踏み出せ!

この間、わずか0.5秒。
(脳って、スゴイなぁ)

そして、脳の命令に従い、一歩を踏み出した瞬間、
「お客様っ!」
店員に声をかけられた。
ミスに気づいたのだ。

ものすごーく悔しい。
ものすごーく損した気分。

なーんも損なんかしてないのにね。


3月6日(土よう日) 日直・鬼界
近所に中華屋がある。
カウンターだけの細長い店内で、
つきあたりの壁の、天井に近いあたりにテレビが置いてある。
主人は、50すぎで、頭が薄いが、体毛が濃く、
顔が角張ってるのに、体はまるく、
目つき鋭く、口はキリッと結ばれ、
道場六三郎になんとなく似ていて、
いかにも食の職人、うまい中華丼を作ってくれそうなオッサンだ。

けどね、こいつほど、見かけ倒しのヤツはいないよ。
こいつは、常にテレビを見ている。
朝8時くらいから店に来ているのだが、
仕込みをするわけでもなく、
カウンターからグイィィッと身を乗り出して、テレビを食い入るように見ている。
テレビはお客さん用に置いてあるので(当たり前だが)
カウンター内にいるこいつは、
無理な体勢をとらないと、テレビが見れないのだ。
動物園のデブアザラシが柵を乗り越え、脱走を図っているみたいだ。

そんなにまでして、見たいか、テレビ。

そして、ランチになると、
そんな店でも、いちおー、ちょっとは混む。
でも、料理をしながら、
チラチラチラチラ、テレビの方を見るのだ。
そっちを見ても、テレビは見えないんですよ。
でも、本能というか、欲望というか、条件反射というか、
つい見ちゃうんですね。

午後の休憩時間になると、
このオッサンのパラダイスだ。
お客さん用のイスにドッカと座って、隣のイスにアゴを乗せて、
ダラ〜っと、テレビを見ている。
ドアは開けっ放しだから、外から丸見え。
でも、一切気にしない。
人生で最も充実した時間を過ごしているのだろう。

バカだね。
そんなにまでして、見たいか、テレビ。


3月5日(金よう日) 日直・鬼界
 北から来た男 その5
プロ野球を夢見て、
彼は駒澤大学野球部に入学した。
野球に打ち込む日々!
のはずだった・・・

「ドクターストップがかかったんです。
このままじゃ死ぬよ、と言われました」

肝臓の機能が極端に低下していたそうだ。
なんだ、なんだぁ、飲みすぎくわぁ?

「・・・・飲まされすぎです。僕は本当は・・・」

冗談ではすまなかった。

「大学の野球部というのは、・・・・ひどいところなんです」

どうひどいの?

「勘弁してください。これ以上は言えません」

ここまで、僕が尋ねることにはすべて誠実に答えてくれた彼が、
突如、口を閉ざした。
他言すると誰かに差し障りがあるのか、
人に言えないほどの怒りがあるのか。

現在、彼は野球部を休部している。
肝機能はかなり回復したそうだ。
1日も早い復帰を祈りながら、この連載を終えよう。


ついでと言っちゃなんだが、
限りなくプロに近いところにいる人に
今年の阪神のことを聞いてみた。

「戦力的には、昨年より確実にアップしています。
監督は岡田さんなんですよね?
岡田さんかぁ・・・・・。
確かに、岡田さんは素晴らしいプレイヤーでした。
ただ、監督というのは・・」

つまり、今年はダメってこと?

「いえ、そういうことではありません。
もちろん、セリーグ6チームの中で、優勝の可能性が最も大きいとは言えます。
おそらく、優勝争いには必ず絡んでくるでしょう。
ただ、勝負は時の運ですから、
Bクラスにならないとは限りません。
しかし、たとえ、最下位になっても、
若いチームですから、来年につながるということは保証できます」

なるほど、1位から6位までのどれかになるってことか。

って、当たり前やんけっ!!


3月4日(木よう日) 日直・鬼界
 北から来た男 その4
夏の甲子園・北海道予選の準々決勝に勝ったあと、
彼は次に行なわれる試合をスタンドで観戦していた。
すると、
スーツを着た温厚そうなオジサンがやって来て、
名刺を差し出したのだそうだ。
それが西武のスカウトだった。

契約金は1億出すからウチに来いとかって、いきなり言われるわけ?

「そんなことは言われません。
ただ、寺原クラスになると、いきなり学校とか自宅にやって来て、
そういう話になるらしいですけど。
僕ぐらいだと、大学を紹介するよって言われるんです」

将来的にはプロでも通用しそうだが、まだわからない・・・・
という高校球児には
自分の球団とパイプのある大学の野球部に入学させる。
もちろん無試験で入学できる。
4年間、大学野球をやらせてみて、ダメだったらそれまでだし、
もしも、モノになったときには、自分の球団に入団させる。

「高校生の段階でツバをつけておくわけです」

そんな仕組みになってるとは、ぜんぜん知らなかった。
スカウトに来たのは、西武だけ?

「いえ、ヤクルトさんもその後すぐ来てくれました」

すっげえ。
女子高生のスカートの短さを淡々と語っていたが、
実は、この人、相当、スゴイ人だったのかも・・・・。
高校時代から、騒がれてたんじゃないの?

「まわりはいろいろ言ってましたけど。
でも、スカウトさんが来るまでは、
僕個人としては、プロを考えたことはなかったです。
ただ、自分は道内で何番目のキャッチャーだろうか?とは
常に考えていました」

うーむ、謙虚といえば謙虚だが、
北海道で自分が上から何番目かを数えられるというのはスゴイ。

あん?
じゃあ、今、なんで、こんなとこで僕とダベってんの?
野球しなくていいの?   (つづく)


3月3日(水よう日) 日直・鬼界
 北から来た男 その3
なんと、彼は甲子園に出場した高校球児だったのだ!
ポジションはキャッチャー。
“相方”である、エースピッチャーが“ミス帯広”と付き合ってたそうだ。
ちなみに、“ミス帯広”とは、その子のあだ名でミスコンに優勝したわけではない。

「でも、実際にミス帯広コンテストがあったら、絶対優勝したと思います。」

それくらいカワイイ子を彼女にしてるくせに、
エースピッチャーというのがヒドイ男で、
常に、4また、5またをかけた上、
その合い間を縫って、つまみ食いしまくりだったそうだ。

ま、それくらいもてるんですね、甲子園球児は。
で、それくらいタフなんですね、高校球児は。

僕の高校時代も、甲子園に出るヤツらは、ムチャクチャしてたもん。
殴る、蹴る、ヤる、飲む、もちろん代金後輩もち。
「高校球児は純真に野球に打ち込んでる」なんてイメージは、
テレビが作ったウソですから。

話を戻すと、
彼が甲子園に出場したのは、4年前の夏。
超人気者・寺原(現ダイエー。大器と期待されながら、ぜーんぜん活躍してないピッチャー)
と同じ日の試合だったそうだ。
その日は第一試合が延長で長引き、
彼がグランドに出てみると、
次の試合に出る寺原目当てのお客さんで甲子園は超満員だった。

「さすがに最初は少しビビりました。
相方は『ちょっとチビった』と言ってました。」

ミス帯広に聞かせてやりたいね。

「でも、すぐに、いい気持ちになりました。
あんなのは体験したことないです。最高に気持ちいいんです。」

そうだろうなぁ、超満員のあの甲子園でプレーすんだもんなぁ。
いいなぁ・・・。

「困ったのはチームメイトの声が全然通らないんです。
自分の声もよく聞こえません。
そのくせ、スタンドのヤジはとてもよく聞こえるんです。」

阪神の選手がいつも言ってるとおりだ!
どんなヤジを浴びたの?

「ヤジというか、応援してくれるのが多かったです。
『打てよー、デブっ!』とか
『ドンマイ、デブっ!』とか
『インコース低めにはずせ、デブっ!』とか」

素人っぽいのからマニアっぽいのまで各種あるけど、
呼ばれ方はいつも『デブっ!』だったそうだ。

「名前を覚えてもらえるほど、有名じゃなかったですから。」

勝ったの?

「負けました。西武のスカウトさんも『あれは仕方ない』と言ってくれましたけど」

ちょっと待って。
西武のスカウトさんって、あのプロ野球の西武ライオンズのスカウトさん?

「はい」

スカウトされたの?

「はい」

えぇぇぇぇぇっ!  (つづく)


3月2日(火よう日) 日直・鬼界
 北から来た男 その2
帯広の女子高生のスカートのほうが、
東京の女子高生のスカートよりも短いのだそうだ。

寒いのになぜわざわざ?

と、疑問に思ったが、
「帯広の子は白くてキレイなんですよ、足が」
という彼の言葉でそんな疑問は吹き飛んだ。

帯広って、いいとこじゃん。ウッシッシ。

「でも、どうせ、階段とかでは、カバンとかで、
巧妙に隠すから、結局、見えないんだよね、ナニは」
と僕が言うと、
「いえ、隠しませんよ」
「は?・・・・ってことは、丸見え?」
「はい」

ええぇぇぇぇっ!!

「じゃ、じゃ、じゃ」
僕はついドモってしまった。
「じゃあ、ヒマなときは、駅とか階段のあるところにいりびたりですね?」
そのうえ、敬語になってしまった。

「いえ、そんなことないですよ。
まあ、駅の階段で見えるときは見ますけど、
ちょっとラッキーというだけで、そんなに特別なことじゃないですから。」

“まあ、見えるときは見ます”だと?
“ちょっとラッキーというだけ”だと?
“特別なことじゃない”だと?

バカものっ!!

僕は大声で怒鳴りたくなった。
マリー・アントワネットが、革命を起こす貧しい民衆たちに
「お腹がすいてるなら、ケーキを食べればいいのに」
と言ってのけるのと同じだぞ、その発言は!
そんなこと言ってっと、ギロチンで処刑すっぞ!!

ん?でも、ちょっと待てよ。
そんないいことばかりのはずがない。
僕は尋ねた。

「でも、そんな短いスカートはいてるのは、どーせ、ブッサイクな子でしょ?
顔が使いもんになんないから、身体でアピールするタイプ。」

「いえ、短いスカートはいてるのは、カワイイ子です。
そうじゃない子は、校則どおりのスカート丈です。
こんなこと言っちゃ失礼だけど、ブサイクな子はわきまえてるんじゃないですかね。」

ええぇぇぇぇっ!!

ぜーんぜん、失礼じゃないですぅー。
帯広のモラルは最高ですぅー。
僕はぜったいぜったい帯広に行こう、いや、永住しようと決意した。

「ちなみに、彼女にも、そんな短いスカートをはかせてたの?」
僕は尋ねた。

「いえ、」

どーでもいいけど、こいつの答えはいつも「いえ、」から始まる・・・。

「いえ、僕は彼女なんかいませんでしたよ。
僕の相方はミス帯広と付き合ってましたけれど。」

“相方”?
“ミス帯広”?

「キミは漫才やってたの?」

「いえ、僕は・・・」

また、「いえ、」だよ。  (つづく)


2月29日(日よう日) 日直・鬼界
 北から来た男 その1
一昨日、Tシャツ1枚で仕事に来た男がいた。
さきおとといの暖かさから一転、
真冬ほどではないが、一昨日はかなり寒い日だった。

「寒くないの?」

僕が尋ねると、彼は
「えっ?寒いですか?」と素っ頓狂な声をあげた。
彼は北海道・帯広出身だった。
以下は、彼から聞いた話である。

東京に来て驚いた事が2つあるそうだ。

一つは、もちろん、東京の暖かさだ。
この冬、暖房をつけたのは1回だけだったそうだ。
それも、その前の晩に、
パジャマだけで外で飲み明かした(!)ため、
少し風邪っぽかったので、
寝る前に1時間ほど部屋を温めただけだ。

「東京に冬はないんですね」

彼はそう言った。

帯広では、マイナス30度になるそうだ。

マイナス30度!!
想像できない・・・。
わかりやすく言うならば、
真夏より60度も低いのだ!
・・・・よけい想像できない。

目を開けてると、目が凍る。

「ど、どういうこと?」

眼球上の涙が凍ってしまい、
まぶたを下げるのに大変苦労するのだそうだ。
そして、とても痛いのだそうだ。
目の玉が。
「眼球上に神経はないって、生物で習ったけど、
あれはウソだと思います」
彼は断言した。
経験に勝るものなし。

だから、素早いリズムでまばたきするのだそうだ。
息も同じ。
深く吸うと、肺が凍るのだ。

肺が凍るぅー?

彼はサラッと言ってのけるが、相当な現象ではないのだろうか。

鼻の穴、ノド附近、気管、肺、
上から順番に凍っていくのが、わかるのだそうだ。
これがまた、とても痛いらしい。

「うっ、ゴハンがノドに詰まったぁ」と僕たちが胸をたたくように、
帯広では
「うっ、肺が凍ったぁ」と胸をたたくのだそうだ。
想像を絶する、極寒の地。

はっきり言って、人間の住むとこじゃねえよ。
僕はぜったいぜったい帯広なんかに行くもんかと決意した。

彼が東京に来て、もう一つ驚いたことは、
女子高生のスカートの短さだった。

「渋谷とかに行ったら、スカートがすっげえ短かくてビックリするよね。」
と、僕が言うと、

「いえ、長くて驚いたんです」
と、彼は言った。

はあ
僕が驚いた。  (つづく)


2月28日(土よう日) 日直・橋本
 そうですか。
鬼界さんの「なりたい、映画の登場人物」は、
グレン・クローズですか。
例えば自分をもてあそんだ男とかを、
あそこまでいたぶることが出来たら、
さぞかしスッキリするでしょうねぇ。
 で、
私の「なりたい、映画の主人公」は・・・?
と考えてみました。
「美貌で、金持ちの、苦労知らず。
ツライ思いも一切なし。
そして、
愛する男(優しくてカッコよくて金持ち)と結ばれる」
そんなヒロインを思い浮かべてみましたが、
なかなか居ないもんです。
プリティ・ウーマンのジュリア・ロバーツは、
ギアに逢う前は、
淫売だから、バツだし。
ノッティング・ヒルのジュリア・ロバーツは、
ヒューが貧乏男だから、バツ。
あの2人は、スグ別れるとみた。
「昼下りの情事」のヘプバーンの、
‘世界的プレイボーイとの恋の成就’には憧れるが、
相手はジイさんなので、
きっと、スグ死ぬ。
その他、
「家が貧乏」
「父親が酒乱」
「子持ち」
など、
たいがい、なにかしらの欠点がある中、
「なりたい。」と思える「映画の主人公」を、一人、思い出しました。
『おもいでの夏』の主人公ハーミー。
16歳目前の少年。
勉強もできるし、ルックスも悪くない。
家は裕福で、一人っ子。
性格もいい。
友達も居る。
なんの悩みも苦労も無い。
なんせ、まだ高1だから。
ただ1つの関心事は、
「初体験をしたい」。
そして、その願いは、
最高の形で叶えられるのです。
海の波の音だけが聞こえる、
丘の上の一軒家の寝室で、
憧れの年上の美貌の人妻に、
「・・・さ、いらっしゃい」される少年は、
もう、
ウラヤマシイ限りです。
夫の戦死の報を受け、
人妻は、次の日、その地を去って行くのが、これまたウラヤマシイ。
より一層、美しい思い出になったわけだから。
完璧な初体験です。
世界中の16歳男子の羨望のマトです。

・・・で、なんで、私がウラヤマシがる・・・?


2月27日(金よう日) 日直・鬼界
僕が一番なりたくないのは、
『危険な情事』のマイケル・ダグラスです。
あと、『ミザリー』の作家(誰だっけ?)にもなりたくないです。

ん?なんか、映画が古い?
じゃあ、

『プール』の水泳選手にもなりたくないです。

『プール』って、なんだよ?
と言われそうですが、
去年アメリカで、いや、おととしだったかな?それとも、その前・・・?
とにかく、
全米興行チャートで数週間1位を独走した作品です。

と書くと、隠れた名作っぽいけど、
たまたまオフシーズンで、たまたまマシな映画が他になかったから、
たまたま1位になっただけの見る価値ない映画です。

じゃあ、なんで見たの?
こーゆー、チープなティーンズムービーって、
なーんも考えないで楽しめるじゃん。
ヒマつぶしには最適さ。
別の言い方をすると、最高に時間のムダですが・・・。

かいつまんで説明しますと、
前途有望な水泳選手が、
フェロモンぶりぶりという設定の転校生(予算の関係か、なぜか、すっげえブス)に
フェロフェロ言い寄られて、
プールの中でヤっちゃったら、
その女がキチガイで、延々とつけ回されるというストーリー。

はん?『危険な情事』そっくりじゃん!
そうなんです。
もろ、マネっこ。

権利権利、裁判裁判って、異常にウルサいアメリカで、
ああいうのが、許されるのが不思議。
まあ、逆に、法律上絶対訴えられないギリギリのマネっこをしてるんだろうけど。

アメリカの映画製作で、発言権が最も強いのは
監督でもプロデューサーでも主演スターでもなく
保険会社です。
電話帳ほどの厚さの契約書がバンバン飛び交う結果、
1980年代に入る頃から、

いかん、話がそれすぎた。

とにかく、
一番なりたくないのは、『危険な情事』のマイケル・ダグラスです。

で、一番なりたいのは、『危険な情事』のグレン・クロース!

いいですよぉ、あの女。
24時間毎日毎日、イヤがらせしてます。
てゆうか、24時間イヤがらせ行為しかしてません。
仕事?
そんなもん、しませんっ!
生活費?
どっかからわいてくるんです。
しかも、イタ電とか待ち伏せレベルのイヤがらせじゃないっす。
マイケル家族全員が家にいる時に、その家にこっそり忍び込んで、
シチューの鍋にその家で飼ってるウサギを入れたりすんですよ。

なんで見つからへんねん!

でも、見つかりません。
いいなぁ、最高だなぁ。
やりたいことをやりたいだけやり放題。
あれだけやったら、最後に殺されても満足でしょう。


2月26日(木よう日) 日直・橋本
 昨日の日誌について、
こんなメールを頂きました。

『「緊急事態・非常事態に直面した時、
冷静・沈着に対処できる人に憧れる」
そのお気持ち、よくわかります。
007は、まさに、そんな人です。
憧れます。
ソ連やアラブや北朝鮮で、たったひとりで捕まっても、
とても冷静。
フフフと笑いながら危機を乗り越え、英国ジョークを飛ばします。
おまけに敵の女スパイとデキてたりします。
現実にはありえないのではないかと思います。
でも憧れます。
いちばん印象に残っているシーンを書こうと思ったのですが、
どの映画で、どの国に捕まって、どのボンドガールとデキたのか、
混ざってしまってました。』

なーる!
007ね!
思いつきませんでした。
確かに、あれほど、
「危機に直面した時でも動揺しない」人は、他に居ないかも。
ターミネーターのシュワちゃんや合金野郎レベルです。
人間とは思えない冷静さです。
銃口をコメカミに押し当てられながらも、
タバコは吸うわ、英国ジョークは飛ばすわのヤリタイ放題には、
「早く、引き金を引いてしまえ。」
と、敵を応援したくなるほどです。
 私が、
「こんな危機的状況で、
なんでこんなことが出来るの?!スゴーイ!」
と憧れつつ、
「・・・でも、この人の立場には、なりたくねーなー。」
と思う人は、
エイリアンのシガニー・ウィーバーです。
あんな怖いめに遭うくらいなら、、
「最初にエイリアンを腹から出すヤツ」になりたい。
あと、
パニック・ルームのジョディ・フォスター。
スピードのサンドラ・ブロックもか。
あー、怖い怖い。
あー、なりたくない。
こう考えてみて、
1つの結果が出ました。
私が「なりたい人」、
それは、
「ちょっとした危機には、冷静・沈着に対処でき、
絶体絶命の危機には、発狂してしまう」。
そんな人です。


2月25日(水よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき)

 ‘私とお姉さんの行動’における4つのミスとは?

ミス1.
お姉さんは、
出来上がったサンド・ウィッチをひっつかんで、
私を追って来るべきだった。
そしたら、
それで、事が済んだ。

ミス2.
お姉さんは、
新人さんを走らせるべきだった。
レジを打てない新人さんを一人残して来ちゃって、
きっと、パニクったことだろう。

ミス3.
「ここでお待ちください!今、サンドを持って参ります!」
と、お姉さんに言われ、
なぜに、
私は、コーヒーとデニッシュの入った袋を、渡してしまったのか?
渡す意味なし。
お姉さんが走りにくくなるだけだ。
「‘この袋’に、サンドを入れ忘れた」という事実が、
そうさせたのか?
また、お姉さんも受け取るから・・・。

ミス4.
「ここでお待ちください!」と言われて、
‘動く歩道’を逆に歩き、
その場にとどまろうとしたのは、
どう考えても無駄な労力。
あと25mほど進んで‘動く歩道’を降り、
普通の地面で待てば、
疲れなかったのに。

以上、
「緊急事態に超弱い、2人の女」が犯した4つのミスでした。
こんな時、
私は、つくづく思うんです。
「緊急事態・非常事態に直面した時、
冷静・沈着に対処できる人に、
育ちたかったなぁ、私・・・」と。
マジに憧れます。
自分に無いものだからか、
男女問わず、
どうしても、そういう人に惹かれてしまうところが有ります。
冷静・沈着・・・。
「氷の女」と呼ばれてみたい。


2月24日(火よう日) 日直・橋本
 朝、
某地下鉄駅改札近くの、
「焼きたてマフィン&美味しいコーヒー」
という店で、
「Bセット(お好きなハーフ・サンドウィッチ+お好きなデニッシュ+コーヒー)」
を、
約束の場所に行ってから食すべく、
テイクアウトで購入。
「マフィンが‘売り’の店なのに、
どのセットにもマフィンが入ってないのは、なぜなんだ・・・」
と考えつつ、
元気のいいお姉さんの
「サンド、温めまぁ〜す♪
お会計、先によろしいでしょうかぁ〜♪」
という言葉にうながされ、
お金を払い、
ボ〜〜ッと、品物の出来上がりを待った。
その、頭にバンダナを巻いた元気のいいお姉さんは、
一緒に居る新人らしい女の子に、
あーしてこーしてと指示しながらの、
次から次への接客なので、
大変そうだ。
 「お待たせしましたー」と、
新人さんが袋詰めして渡してくれた品物を、
受け取り、
店を出、
約束の場所へ向かう。
角を曲がり、階段を下り、
50mほど有る‘動く歩道’に。
半分ほど歩いたところで、
後方から、
「お客様ぁ〜〜〜〜!」と呼ぶ、デカイ声が。
振り向くと、
バンダナのお姉さんが、
「サンドが、サンドがぁ〜!今、温まりましたぁ〜〜〜!」と叫びながら、
今、私が下りてきた階段を、
駆け下りてくる。
「あーーー!入れ忘れたのねーーー!」
と、事態を瞬時に悟った私は、
「サンドが・・・、サンドが・・・」と、うめきながら、お姉さんの方へと・・・。
す、進まない!
歩いても歩いても、進まないーーー!
お姉さんは、
‘動く歩道’横の通路を走り、私に追いつき、止まり、
苦しげな息で、
「ハァハァ・・す、すみません、サンド、今、温まりまして、ハァハァ・・・」
私は、その場にとどまる為に、
必死で歩いた。
足を止めると、お姉さんから離れていってしまうからだ。
私の横を、2倍のスピードで、人が歩いていく。
「ここでお待ちください!今、サンドを持って参ります!」
と、お姉さん。
「わかった!待ってる!」
と、私は答え、
急いで、コーヒーとデニッシュの入った袋を、お姉さんに渡した。
お姉さんは、それを受け取るやいなや、
またダッシュで戻って行った。
私は、歩き続けた。
その場にとどまる為に・・・。

さて、
私とお姉さんの行動には、
大きなミスが、4つ有ります。
お判りですね?


2月22日(日よう日) 日直・鬼界
昨日、居酒屋で飲んだ。
トイレに入ったとたん、

さぁ〜!!

鼻が曲がりそうになった。
消臭元・レモンのにおいで。

狭いトイレに、消臭元・レモンが3つも置いてある。
なんのにおいを消すため?
消臭元・レモンが置いてなかったら、どうなるのだろう?
失神する、鼻が溶ける、ショック死する・・
そんなことを考えながら、息を止めて、用を足し、
手を洗った。
すると、
ジェットタオルが目の高さにあるじゃないか。
ビッチョリ濡れた手を差し入れると、
当然、猛烈な風が吹き出し、
水滴が顔に降りかかる。
目に入る。口に入る。ペッペッ。
洗い終わった手の水滴だから、キレイなんだけど、
なんか、汚いものを顔に浴びせられてる気になる。

なんで、ジェットタオルがそんな位置にあるの?
使用者全員に不快感を与えるぞ。
嫌がらせか?
ま、日誌のネタになって個人的には嬉しいけど・・・。


2月21日(土よう日) 日直・鬼界
くすりセイジョーでボディーソープを買ったら、
レジにいた店長が
「セイジョークラブ会員さまだけのお知らせを入れときますね」
と僕に小声でささやき、
なにやら白い紙をレジ袋に入れた。

お得なセール情報が満載されてんだ!
ラッキーっ!!

喜び勇んで、家に帰り、紙を見た。


お急ぎください!!
・サロンパス フェルビナク・スティック(痛みに塗るタイプ) 1480円
・アルペン ゴールドカプセル(効くかぜ薬) 1748円
に限り
2倍ポイント進呈!
平成16年3月31日まで!!



なんじゃそりゃ!
ざけんなよっ!!
セイジョーは100円で1ポイントだ。
つまり、100円買って1円たまるだけ。
2倍ポイント進呈!ったって、2円たまるだけじゃねえか!
店長がわざわざ小声でささやくようなことか?
嬉しかねえよ!
フェルビナクって、なんなんだよ?
変換されねえよ、「フェルビなく」って出るよ。それさえ意味不明だし。

最近は、どこもかしこも、会員会員とかいって、
すぐにカード作らせて、ポイントをためる仕組みになってて、
「ポイントたまるから、セイジョーで買おう」とか思っちゃうんだけど、
まんまと乗せられてるだけだ。
ヨドバシみたいに10%とか15%還元ならいいけど、
「100円で1ポイント」とか「200円で1ポイント」がほとんどだ。
0.5%オフってことでしょ?
意味ねえよ。

よしっ、誓おう、これからはポイントカードは絶対作らねえっ!
すでに、各種ポイントカードでサイフはパンパンだし・・・。


2月20日(金よう日) 日直・鬼界
ご存知でしょうか?
昨日、こんな事件がありました。

牛丼販売を中止した「吉野家」で牛丼の注文を断られて店員に暴行したとして、
長崎県警浦上署は19日、暴行の現行犯で長崎市の無職・峯友渉容疑者(28)を逮捕した。
 調べでは、峯友容疑者は同日午前1時半ごろ、
「吉野家」を訪れ、牛丼を注文。
女性店員に「牛丼はお出ししておりません」と断られると
「責任者を出せ」「対応が遅い」などと騒ぎ、
近くにいた男性店員の胸ぐらをつかんでエプロンを破ったほか、
カウンターに置いてあった紙ナプキンケースを投げ付けた。
 峯友容疑者は店側からの通報で駆け付けた署員に逮捕された。
当時、店には店員3人と客4人がいたが、けがはなかった。(時事通信)


そして、さらなる事実が判明。

休止中の牛丼を注文して断られ、従業員に暴行したとして、現行犯逮捕された男が、
弟の偽名をかたっていたことが同日午後、県警浦上署の調べで分かった。
 男は長崎市伊良林、無職・峯友恒成容疑者(31)で、
逮捕直後、東京に長期間、出張している28歳の弟の名前をかたっていた。
同容疑者は「自分に何かあった時にはいつも弟の名前を使っていた」と供述。
これまでにもトラブルがあった際に使用していたという。(時事通信)



峯友容疑者の口癖は「でっかいことをしてやる」だった。
そのくせ、小学校時代から“ノミしん”というあだ名がついていたように
(“ノミの心臓”に由来する)
あまりに、気が小さい男だったらしい。

和民長崎東口店の従業員の話
「ええ、よく覚えています。あの人はうちの店に来たことがあります。
最初は存在さえ気づかないくらい影が薄かったのに、
酒が入ると、騒ぎ出したんです。
『もずくが酸っぱすぎる。腐ったもんを食わせる気か!!』とか言って。
もずくが酸っぱいのは当たり前じゃないっすか。
いくら謝ってもおさまらないので、店長が金を渡したんです。
そうすっと、いきなり態度が変わって、なんていうか、‘親分’風になりました。
帰りがけに
『今度から、なんかトラブルがあったら、オレに言ってこいや。面倒みちゃる』
って言ってました。
トラブルはオマエだろ!って、店じゅうでツッコみましたよ。
そしたら、2,3日して、また来たんです。
同じように、酒が入ると、騒ぎ出しました。
でも、そのときは、バイザーがいたんです。
(注:その地区を取り仕切る、スーパーバイザーのこと)
そのバイザーさん、曙そっくりなんですよ。
そのバイザーが応対に出て行くと、
あの人、急にガタガタ震えだしましてね。
わけわかんないことをモグモグ言って、ペコペコ頭下げて、逃げ帰ったんです。
ケータイだったかな、メガネだったかな、
なんか大事なもの置き忘れてました。」

こういったトラブルを起こすことで地元ではよく知られていたらしい。
警察にも何度もやっかいになってるそうだ。

今回の取調べでも
「牛丼の休止は、東京のことだと思ってた。
長崎では売ってると思ってたので、ついカッとなった」
などと供述し、
事件が全国的に報道されたのを知ると
「最初から自分の名前を言えばよかった。でっかいことした有名人になれたのに」
ともらしているという。


以上、僕の想像です。

え?どっからどこまでが想像かって?
太字になってる部分が、本当にあった事件です。


2月19日(木よう日) 日直・鬼界
昨日、物干しに青いタオルを干している家があった。
ふつうのタオルやらバスタオルやら各種とり混ぜて、
端から端まで青、青、青。
ビッチリ干してある。

なんかのまじない?
それとも、青キチガイ?

スポーツニュースを見て、謎が解けました。
2006年ワールドカップ・アジア地区予選の
日本の初戦・対オマーン戦の応援だったのです。

わっかりにくいっ!
日本代表の旗とかタオルを出しとけよ!

でも、よくよく考えると、そーとーエライ?
にわかファンではなく、
正真正銘のサッカーファンってことだもんね。

そっか!
そんな熱心な人が、日本代表の旗とかタオルを持ってないわけない!
ってことは、旗とかタオルを持って、埼玉スタジアムまで応援に行ってたんだ!
すっごいなぁ。

青キチガイなんて言って、すいませんでした・・・。

でもさ、オマーン相手にあんな勝ち方でいいのかい?
てゆうか、オマーン人なんて生まれて初めて見たぜ。
ちょいクロンボ系なのね。
どこにあんの、オマーン?


2月18日(水よう日) 日直・鬼界
いつ書こうか、いつ書こうか、とためらっていたのですが、
あんまりひっぱりすぎても、
信じてもらえないし・・・。
でも、実話なんです。

去年の12月半ばのことです。
近所のアパートの2階にフトンが干してありました。
古いアパートによくある、窓の外のちょっとした手すりというか柵みたいなところで
フトンが気持ち良さそうにさんさんと陽を浴びていました。
が、運悪く、突然の夕立が来たのです。
住人は留守らしく、フトンはびちょびちょに濡れてしまいました。
「あーあ、せっかくフカフカになったのに、どうするんだろう・・・・」
とヤキモキしたのですが、
その夜、住人は帰ってきませんでした。
フトンは濡れたまま、淋しく夜を明かしました。
そして、翌日から、晴れた日が続くと、
フトンは干し続けられました。
ていうか、昼も夜もずーっと出しっぱなしでした。
くる日もくる日も干しっぱのフトンを見て、かわいそうでなりませんでした。
ところが、ある曇りの日に、そのフトンがなくなったのです。
「ついに、あのフトンも安楽死させてもらったんだ!」
僕はホッとしました。
ところが、翌日、快晴の青空の下、再びフトンが干されてるではありませんか!
・・・・・・・。
この不可思議な行為は今も続けられています。
晴れた日にはフトンは外に出ています。
3日間晴れが続くと、72時間、フトンは出しっぱなし。
が、曇りや雨の日になると、フトンは室内へ消えます。
そして、晴れると、また、フトンが・・・。
どういうこと?
天気が崩れると、
密室内であのフトンを使った特別な儀式が行なわれているのでしょうか?
謎は深まるばかりです・・・。


2月17日(火よう日) 日直・橋本
 有り難いことです。
昨日の日誌を読んで、涙が出そうになりました。
あのように、
いろいろな顔を絵文字で描けちゃうんだから、
おそらく、
若くて可愛らしいお嬢さんに違いない。
そんな、花のような娘さんが(・・・表現がオッサン臭いな。)、
あんな本を、
わざわざ探し回り、
920円(税抜き)も出して買う・・・・・・
痛々しいです。
ソノけなげさに胸を打たれます。
1000円もあれば、
美味しいケーキの1つや2つも食べられたろうに・・・。
あぁ、抱きしめてあげたい。
 そして、
もう1つ、有り難いことが。
やはり、お客様から、
バレンタインデーに、
チョコレートが届きました。
「まりりんさん、夢占い、ありがとうございました(ハート)」
というカードが添えられた、
チョコレート・ミルフィーユです。
あぁ、
美味しゅうございました。(もう、食べちゃった!)
普段、自分で買って食うチョコとは、
明らかに、美味しさが違いました。
あぁ、
「頂きもの」って、なぜ、こんなに美味しいの?
てめぇで金出してないから?
いいえ、そうじゃないわ。
心のこもった「愛」の味がするからよ。
バレンタインデーに、
チョコもらって喜ぶ男の人の気持ちが、
解かりました。
なんだ、なんだ、
いい日じゃん、バレンタインデー!
キミのおかげさ!
愛してるぜ!


2月16日(月よう日) 日直・鬼界
こんなメールをいただきました。

“お兄さんの本”
なんだか、いろんな意見が日誌で飛んでいましたがf(^^;私、買いましたm(__)m
しかも1件目の本屋さんでは見付からず、探し歩いて5件目でようやく見付けました〜、
って人、他にはいない?!(゜□゜;)!
まだ全然最初しか読めてないので感想はまだ聞かないで下さいm(__)m
私の頭には難しいので、ゆっくり待ってて下さい(^o^;)

つ、ついに犠牲者
いや、
向上心に富む偉い人が出現だぁ!
あなたはなんと向こう見ずな
いや、
好奇心旺盛な方なのでしょう。
「素晴らしい!」の一言につきます。

実弟の僕が言うのもなんなんですが、
決して読破しようなどと思わないでください。
体を壊します。


そして、皆さま、お気づきでしょうか?
今日の日誌は、
引用とはいえ、絵文字がふんだんに登場してます。
鬼橋日誌では、ふだん決して見ることのできないものです。
だって、
あの『ウィトゲンシュタイン』を買ってくれたんだぜぇ、
それくらいのタブーは破んなきゃな。


2月15日(日よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき)

 カツラをかぶったミスター・キューピーは、
どう見ても、
23歳〜40歳だ。
(エラく、はば有り。
カツラが、目くらましになって、年齢を特定できず。)
私は、
「担当医は、出来れば、
女医さんか、
もしくは、年いった院長先生タイプのオジイさんがいいんですけど。」
と、言ったはず。
それを受けた柏原は、
「わかりました。」
と、答えたはず。
それが、このザマ。
キモイからか、
看護婦も、
私の診察台を避けているような雰囲気。
だーれもお手伝いに来てくれない。
遠巻きに盗み見ている感じ。
きっと、看護婦や他の医師は、皆、
「キモイマンに担当されちゃって、あの人、かわいそう。
あんなキモイマンに、口の中を触られるのよ〜。
くわばら、くわばら。」
と思っているに違いない。
ヤだ、ヤだ!
ひとりにしないで!
治療中、カツラがズレたら、どーなるの?!
大口を開けさせられたまま、
アハ〜アハ〜と、私は、ひとり笑うのかい?
助けてぇ〜〜!
と、私が、胸中で泣き叫んだ、その時だ。
診察台後方の台に置いてあるパソコン画面で、
私のカルテ(今は、紙ではないらしい)を見ていたキューピーが、
「ん?」
と言った。
「へ?」
と、私が、涙のにじむ目を向けると、
キューピーは、
ポリポリポリと、コメカミのあたりをかきつつ、
私の真横の位置に来、
上から見下ろしながら、私に聞いた。
「‘女医か、年輩の医師を希望’・・・って、
年輩って、いくつぐらいの人のことですかねぇ?」
と。
柏原が私のカルテに入力した「私の希望」の件だ。
それを聞いた周囲の医師・看護婦たちは、
皆、一斉にグイッと、こちらを見た。
声がデカイよ、キューピー。
「え〜と、
もう、けっこうオジイちゃんで、
貫禄のある院長先生タイプの・・・。」
と、私が答えると、
「あ!そんな?もう、そんな、けっこうな年の?」
と驚きのキューピー。
「はぁ。」と私。
こちらを見ていた医師・看護婦たちは、
あきれたように、顔を自分の患者たちに戻した。
キューピーは、
「そうですか・・・。
わかりました。
ちょっと、ここには、年輩の院長タイプはおりませんが・・・。」
と、私に言い置き、
どこぞに消えた。
そして、数分後、戻って来た。
ひとりの女医を連れて。
「あの、じゃぁ、担当は、女性の医師ということで。」
と、キューピーは、
女医を紹介し、
私の診察台から去って行った。
「やっと、担当する患者に有りつけた」と思ったキューピーは、
私に拒絶され、
まーた、
一人ぼっちの、手持ち無沙汰なヤツ・・に逆戻りだ。
悪いな、キューピー。
私は、
これから、
この、
デカイ女医の世話になるからよ。


2月14日(土よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき)

 柏原は、
私の質問の意味を理解しかねる・・・といったふうに、
数秒間、宙を見つめた。
ヒビヒビのくちびるが、かすかに、わななき、
今にも血が出そうだ。
メンタム・リップを塗っても、もうダメか?
いや、ヒビに塗り込めば、もしや・・・
判断つきかねるソノくちびるを開き、
柏原は、
私に言った。
「女医さんか、院長タイプ・・・。
わかりました。手配してみましょう。」
俳優斡旋所を思わせる明快なお答え。
柏原は、机上のパソコンに、なにやらパチパチパチと打ち込んだ。
「担当医は、女医か院長タイプを希望。」と、
私のデータを入力したとみた。
フフン。
よしよし。
 いったん廊下で待たされ、
再度、
別の診察室に呼ばれる。
ふむふむ、ここが治療室だな。
これまた広い部屋に、
いくつもの診察台が整然と並ぶ。
そして、そのすべての台に、
患者が寝そべり、
その患者の口の中に頭をツッコミそうな勢いで、
医師がへばりついている。
あぁ、私も、いよいよだ・・・・。
看護婦の案内で、1番奥のお席に到着。
座る。
待つ。
こちらに向かう足音が・・・。
「来た!
女医か?
はたまた院長タイプか?」
ドキドキしながら、うつむいて、
医師の到着を待つ私。
私の診察台の横に、人が立った気配。
「今日は、どうしましたって?」
男の声だ。
私は、思い切って、横に立つ医師を見た。
なんじゃ、わりゃーーーっ!
柏原よりもキモイじゃんけーーーっ!
いったい、
どうしたんだ、その髪は?!
七三わけした真っ黒けのソノ髪は、
頭ガイ骨から、完全に、浮き上がっている。
カツラだ、カツラ。
すげぇ。
こんなカツラカツラしたカツラは、
高3の時、運動会の教師対抗リレーで、
教頭がスッ転んだ拍子に宙に飛ばしたカツラを見て以来だ。
(テント内の放送部アナウンス嬢は、
「あーーーっと!カツラがーーーっ!」とオンマイクで叫び、
大爆笑を誘った。)
髪型から視線をはずせなくなった私に、
「いいですよ〜。
よっく見てくださ〜い。」
というように、ズボとたたずむソノ医者。
似ている、この髪型・・・。
そう、
浩の宮さまの髪型に。
マネしているのか?
そういえば、どことなく雅なお顔・・・?
よくよく見ると、
けっこう若い。
頬がピンク色で、お肌がツルンとしている。
長いマツ毛がクリン。
カツラをかぶったキューピーのようにも見えてきた。
見ようによってはカワイイが、
トータルでキモイ。
        (つづく)


2月13日(金よう日) 日直・橋本
(おとといのつづき)

 歯医者を替えるといっても、
そこらの開業医へ行ったのでは、
あまり替わり映えがしない。
試しに、
歯科大学病院へ行ってみた。
さすがに、デカイ。
患者も多けりゃ、
医師も多い。
受付ロビーが、人でごった返している。
イッキに、気おくれ。
「私、ただの虫歯なんですけど、
診てもらえるのん・・・?」
と、誰かに聞きたくなる雰囲気。
「フン。
チンケな虫歯ごときのヤツが、
のこのこ大学病院なんかに来やがって。
俺達ゃぁ、重症患者しか相手にしねぇぞ。」
と言いそうな若ゾウの医者たちが、
腕まくりした白衣の前をビラビラなびかせ、
何の用があるのか知らんが、
廊下を行ったり来たりしている。
ここは、白い巨塔?
キミたちは、財前くん?
フン。
たかだか歯科医のくせに。
医者になれなかった負け犬どもめ。
白衣の前をビラビラさせて格好がつくのは、外科医だけじゃい。
 と、
いよいよ、私の番。
広い診察室の中は、
診察台が所狭しと並び、
白衣の若ゾウが、ウジャウジャ居る。
よくよく見ると、
若ゾウしか居ない。
ヤな予感。
品のある、腕の確かそうな、老齢の、院長タイプが、
ウヨウヨ居るのかと思いきや・・・。
がっかり。
私が座って待っていた診察台に、
「さ、じゃ、お話をうかがいましょうか?」
と、いきなり、自分のイスごとニジリ寄って来たのは、
案の定、
ブサイクな若い兄ちゃん。
これじゃ、中島や沢田と、なんら変わりなし。
いや、
顔がマトモなだけ、