生産設計とコストダウン手法

(1) 生産設計とコストダウン手法
生産設計のコストダウンの焦点は工数(加工費)にある。そのためのコストダウンの手法を図表1に示す。

図表1

工程システム設計の段階では工程設計や作業設計により工程・作業系列を、工程パラメータ設計の段階では作業条件を、工程許容差設計の段階では作業許容差を追求し加工費のコストダウンを考える。

コストダウン手法の中で、重要なものはIE、TRIZ、品質工学である。TRIZ、品質工学については、製品設計とコストダウン手法で述べたので、IEを中心に加工費のコストダウンの考慮点を述べる。

(2) 生産設計とIE(インダストリアル・エンジニアリング)
IEは1890年代に米国のフレドリック・テーラーが鉄鋼所のズク(銑鉄)運び作業の方法研究を行ったのが発端である。その後作業研究の方法は進化し、1910年代にはIEといわれるようになった。

IEは改善手法として幅広く活用されてきたが、この手法を生産設計段階から織り込み、最少工程、最小工数となる製造システムを設計していくことで大幅な加工費低減が実現できる。VEで述べたと同様に、IEでもゼロルックIE、ファーストルックIEが必要なのである。

■ 2つの設計アプローチ

システムの設計方法には、図表2のように「リサーチアプローチ」と「デザインアプローチ」が考えられる。

リサーチアプローチは、現状のシステムにムダがないか問題はないかという分析から始め、詳細にその内容に検討を加えて、より良いシステムを追求する分析型アプローチである。

もう 1つは「デザインアプローチ」である。これは、システムの目的とする“機能”は何かということから思考を進め、システムの“あるべき姿”を描く。そして次第に制約条件を加えて現実的なシステムへと修正していくアプローチである。

図表2

■ IEと工程システム設計

加工費(時間)の基本機能は、製品の加工、変形、変質を伴う作業と定義される。工程システム設計の第一段階は、アウトプットを得るために必要不可欠な機能(基本機能)である工程を抽出し、できるだけ基本機能のみで構成されるプロセスを設計する。

その際、製造から廃却までの製品ライフサイクル間に地球環境に与える影響を最小にする省エネルギーや有害物質への取組みを忘れてはならない。 図表2は、生産設計段階の環境改善項目の例である。

図表3


■ デザインアプローチによる作業設計

工程システム設計の後半は、作業設計である。デザインアプローチによる作業設計は、現状システムの目的とする「機能」から思考をすすめ、次第に制約条件を加えて現実的なシステムへと修正していく。




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