☆スパルタンXスローver☆
最期の入場シーン
三沢・秋山vsハヤブサ・人生
三沢光晴vs丸藤正道
三沢CM
桜庭「先輩の顔面を素手で殴りたい」
すべてはここから始まった。
最初は笑っていた田村の表情がだんだん険しくなってゆく・・・
ここ最近の田村がらみの煽りVが好きになれない。
前回の船木戦にしても新生UWFを狂気の集団としてとらえていたのを見て
「これを作ったヤツは、なんてセンスが無いのだろう」と思った。
意図的に不快なノイズを入り混じらせたプロパガンダ。
田村に対するあからさまな悪意。
そして今回もまた番組のつくりとして、
煽りVも実況のTBSのアナウンサーも
桜庭=ヒーロー(真剣勝負で体を張ってきた)
田村=ヒール(真剣勝負の実績が無い)
というスタンス。
やたら真剣勝負というコトバをふりかざし、
それを絶対のものとしているのが鼻につく。
また、このアナウンサーの偏向ぶりと付け焼刃の浅はかな知識は
小太刀を短刀や小刀とかぬかしよるし
インター時代の3連戦にふれ
「桜庭の若き才能に苦し紛れにロープに逃れた」だとか
挙句の果てには
「ひとつだけ言えることは今年最後の試合です」
とかどうしようもない。
なんで後世に残る大事なPPVでこんなヤツを使うんだろう・・・
PRIDE時代のジングルを復活させ
まずは桜庭劇場がはじまる。
「えっ桜庭レガースしてくるの?」
誰もがそう思い
田村との回転体に期待がかかる。
SPEED TK Remixが流れて一安心。
「ウワッほんとにレガース履いてきた」
「ちょっと待ってぇ〜」
???
ってレガースつけてたの下柳かよ!!


田村一人つけて置き去りの「レガースフェイント」
誰もいないコーナーをニラむ「ニラミツケスカシ」
「田村さんの思い通りにはさせねぇよ、絶対!!」
という桜庭の田村完全否定。
怒りと悲しみをたたえた田村。
僕はこのとき「実に桜庭らしい」と別の意味で関心していた。

リング上ではPRIDE34以来となる握手をかわす。
84Kgの契約体重で田村は82.7Kgと少なめだが
全盛期を思わせるカラダのハリ。
39歳とはとても思えぬコンディションのよさ。
対する桜庭は骨折あけで、ヒザもテーピングでガチガチである。
TKチャートは気を使って無理やり同じ数にしたとしか思えない。
田村の寝技が3で打撃が4って
田村はいつからストライカーになったんだろう?
確かに最近KO勝ちが多いけど、僕の印象ではレガースを脱いで
グラウンド技術を向上させようとしていたUインターの頃の印象が強いので、
どちらかというとサブミッションレスラーよりに位置づけている。
そしてスタンドはモーリス・スミスのお墨付きとくれば
それ即ち
コンプリートファイターとなる。
あとスタミナじゃなくてコンディションにしたら
そこは田村は間違いなく5で桜庭は1だろう。
気負い無く凛とした田村の立ち姿。
まるで何かを宿しているようだ・・・
グローブを合わせ
運命の一戦が始まる。
「ファーストコンタクト」
実力を測るにはダメージのない
この時をおいて他にない。
桜庭のローを捕らえてからの田村のワン、ツー
桜庭は体を沈めてからの低空タックル
これに田村は超反応で左の蹴りを合わせる。
それをまともに喰らわない桜庭の勝負強さもさることながら、
瞬時に反応して殺気みなぎる蹴りを放っている田村もまた凄い。
ゴスッとかすめる音がしたのだが
ジャストミートしていたら間違いなく試合は終わっていた。
この田村の蹴りに込められた殺気が10だとすれば
以後、放たれた蹴りは5〜6程度のものだろう。
このわずか75フレーム(2.5秒)のやり取りで
二人の持つ実力が窺い知れる。
無我の境地から体が反応してオートマチックに放たれる技の応酬
これぞまさに達人同士の真剣勝負。
有利なポジションを奪おうとする桜庭だが田村は巧みに防ぐ。
亀になった田村のバックにつく桜庭は
田村の動きを警戒しながら
腕に足を絡めようとする。
田村はこの動きに反応して
足を取り返し
完全にサイドポジションをとる。
だが桜庭もすぐにガードに戻してしまう。
トップをとった田村が放つ初パウンドに会場がどよめく。
それは真剣の切りつけあい。
隙あらば問答無用に斬る。
下から足を絡めヒールホールドを狙う桜庭。
執拗に狙うものの田村は体を翻しこれを防ぐ。
そして逆襲のパウンド
残り時間30秒を切った所で桜庭が下から十字を仕掛ける。
だがロープが邪魔して田村の体を伸ばしきれない。
結局、1ラウンド目が終了し千載一隅のチャンスを逃してしまった。
時間があってリング中央なら確実に極まっていたろうに・・・
心身ともにダメージの深い桜庭はなかなか起きられない。
桜庭はシコタマ殴られ、うがいに大量の血が入り混じる。
緊張感あふれる攻防にゲストのキヨマーも神妙な顔つき。
ファイナルラウンド開始早々、
田村の打撃を喰らってバランスを崩す桜庭はタックルに行くが、
田村は潰して有利なポジションを取るとすかさずパウンド。
「こいよオラッ」と桜庭に殴らせて
お互い殴りあうUインタースタイルも垣間見せる。
田村得意の蹴り足キャッチだが
察知した桜庭は蹴りを出さずじまい。
出していたら容易にテイクダウンされていただろう。
多彩なフェイントで翻弄する田村。
桜庭はローもカットできずダメージを負う。
田村は桜庭のダメージを肌で感じ取り
スタンドではダメージを与えすぎるから思いやりタックル。
それを桜庭はフロントネックロックで迎え撃つ。
しかし膠着とみなされブレイクでスタンド再開。
田村は二人の戦いに口を挟むレフェリーに不満顔。
田村のローキックにカウンターのタックルでテイクダウンを奪った桜庭
ようやく絶好のポジションを取るも時すでに遅し。
数発殴ったところで無情のゴング。

結果判定3−0で田村の勝利
タムラ「仲良くしてよぉ」
サクラバ「また、お願いします」
成り立っているようで噛み合わない二人の会話。
それはKOされて記憶が飛んでる高田延彦が
「オマエ男だ!!」と心にも無いようなこと言ったように
桜庭もまた・・・!?
田村は試合後2箇所の骨折をしたと告白しているが無理も無い。
1ラウンド10分で100発
2ラウンド5分で70発
15分間で、じつに170発ものパンチを桜庭に叩き込んでいる。
それは大晦日だけに「108の煩悩除夜の鐘パンチ」と思いきや
桜庭たちに言われた悪口の数の分だけの
「お礼参りパンチ」だったのだ。
勝敗をわけたのは二人のコンディションも含めた実力によるものだが
決定的な違いがセコンドにも現れていた。
桜庭についたセコンドはダメージを推し量って
万が一の時にタオルを投げ入れたり
体を張って守ることが出来たのだろうか?
スミルノヴァスや秋山との試合の時
言ってみれば見殺しにしたような面々が今もいる。
特にヌルヌル事件の時の田村の怒りの矛先は
秋山以上にセコンドに向けられていた。
桜庭に戦略を授けたり叱咤激励するトレーナーはいたのだろうか?
今回、田村には18年来の盟友である
カリスマキックボクサー立嶋篤史が側にいた。
田村の立ち技の練習につきあい
2時間かけて船橋から調布に通いキックミットを持っていたという。
そして試合直前の立嶋のヒトコトが
田村の迷いを断ち切り、ある決意をさせたという。
大袈裟に言うと立嶋なくして田村の勝利はなかったのかもしれない・・・。
思い描いた理想と拳の痛みという現実のギャップに
溜め息をつきながらも勝利の余韻に浸る。
終わってみれば
UWFのテーマもPRIDEのテーマも流れず
田村は「左ミドル」を一発も出さず
期待された回転体は発動せず
ウラミツラミの入り混じった拳は感動を産まず
ただ二人の闘いの歴史を残酷に彩ったようにみえた。
しかし
僕がこの試合に求めたのは
「田村の勝利」
ならびに
「U戦士の証」
田村は桜庭を完封し勝利することで
プロレスラーでありながら本物の格闘技の技術をもつ
「U戦士」であることを証明してくれた。
「正義の味方サクライダーが裏切り者のタムラを制裁する」
「タムラはUWFを背負っていない。
本当に背負っていたのは桜庭さんだ」
田村の勝利で幕を閉じた今
こういった外野の戯言はどうでもよくなった。
「U」を体現するのに「憎しみ」が必要ないことは
図らずも若き中村と所の二人が
真剣勝負とUWFの融合した試合を演じ証明して見せた。
然れども
真剣勝負の呪縛が解けた今
僕はやはり田村自身に
「UWFの未来形」
を見せてもらいたい。
そして
その相手に最適なのは「桜庭 和志」をおいて他にない。
「限りがあるから永遠は尊いのよ」
という麗人のコトバを胸に秘めつつ
その日が来るまで
僕は田村潔司を応援し続ける・・・