管球アンプ工房”アルバトロス”

13;送信管808シングルアンプ
1、808送信管アンプ 
送信管アンプの第2弾は大型の業務用送信管をそのまま小さくしたような、可愛いスタイルの直熱3極管”808”を使って見ました。
ベースは4本足のUXタイプですが、1番、4番ピンをヒーターに使っているだけで、グリッド、プレートは管壁にキャップタイプで出ている、送信管らしい構造です。
プレートは直径12mm、長さ40mm位のカーボンタイプでトップキャップから釣鐘のように下がっています。
ヒーターはトリウムタングステンで点灯すると電球のように光り輝き、何ともいえない雰囲気をかもし出します。
今回は、前回の”826シングルアンプ”をベースに、808用のサブシャーシーを作り、出力管だけを入れ替え、出力管の動作条件(B電圧、バイアス電圧、ヒーター電圧)を設定するだけで何処まで性能が出せるのかがポイントです。
この方法は前段、ドライブ段を含めてすべてがベストの状態に出来ませんが、共通シャーシーで気軽に、、お金と手間をかけなくて、各種の球を楽しむことができます。
今回の共通シャーシーは、前回の826のアンプでも説明してますが、B電圧、バイアス電圧レンジ、ヒーター電圧の3つの項目がスナップSWで切り替えられるように設計されています。
826,808の各真空管による設定は下記の通りです。
送信管 B電圧;300v/260v バイアス電圧;20v/40V ヒーター電圧;9v/7.5v
826 260v 40vレンジ 7.5v
808 300v 40vレンジ 7.5v
この他、上記の設定の範囲内で動作する真空管であれば真空管ソケットに合ったサブシャーシーを作れば色々楽しむことが出来ます。

調整結果、ファイナル段プレート電圧300V、バイアス電圧+36Vでプレート電流は120mA流れる点が動作点としては現状の最適ポイントのようです。
矩形波特性も非常に良くイントラ方式でもリンギングは認められません。
周波数特性はノンNFの為、低域が少し落ちており、今後改善の余地があります。(−3.0db/40Hz、−6.0db/25Hz)、高域は−3.0db/42kHz)。
出力はクリッピングポイントで約10Wでほぼ予定通り出ました。
歪率特性は立ち上がりはシングル特有の2次高調波が主で出力を上げていくと徐々に3次高調波が増えていき、4W位で2次高調波と3次高調波がクロスする、典型的なシングルアンプ特性です。
今後の改善ポイントとして、低域改善の為NFを3dbくらい掛けるかですが、試聴結果により検討して見たいと思います。
さて、試聴ですがリスニングルームのダウンライトを少し落として、アンプのSWを入れると808のトリウムタングステンヒーターが煌々と輝き、見ているだけで幸福感が溢れてきます。
試聴結果については次回ご報告いたします。

2、送信管808シングルアンプ試聴記 

基本特性も纏まった所でいよいよ試聴テストに入ります。
何時ものように女性ボーカルを中心に、綾戸智絵の”LIVE”、 Diana Krallの”When I look in your eyes”、 Dianne Reevesの”A little moonlight”の中から拾い聴きしましたが、中高域に伸びがあり、セクシーに歌い上げる時、みずみずしいい時等、それぞれに表情をうまく出してくれます。
低音部は、多少誇張気味にデフォメルされた響きですが、聴いていて非常にリラックスできます。

これは808の内部抵抗が大きく、DFが実測で0.7位な事が音に影響しているのかもしれません。
この誇張気味にデフォメルされた低音に惹かれて、昔聴いていたOscar Petersonの”We get requests”が聴きたくなり、探し出して聴いて見ました。
Ray Brawnのベースがぶんぶん響き、ボーイングでは松脂が飛び散るようなリアルさで再現します。それでいてOscar Petersonのピアノは非常にクリアーに響きます。とても40年前の録音とは思えない臨場感で感激。
これが送信管808の個性かも知れませんね; ノンNFでF特もDFも数字の上では多少気になるところがありますが、このまま暫く聴いてみましょう。


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